2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23300194
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
秋山 いわき 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (80192912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 信行 自治医科大学, 医学部, 教授 (10245053)
安田 是和 自治医科大学, 医学部, 教授 (40158001)
新田 尚隆 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (60392643)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | 温度上昇 / 組織損傷 / 造影剤 / ウサギ / 肝臓 / 心臓 / 骨 / 心電図 |
Research Abstract |
音響放射力インパルス(ARFI:Acoustic Radiation Force Impulse)を用いた組織硬度の診断は、すでに肝臓や乳癌の診断で臨床応用されている。ARFIでは従来の超音波診断装置に比べて強い超音波を用いるため局所的な温度上昇や組織損傷を引き起こす可能性があり、また、超音波造影剤との併用により組織内に気泡が存在することで損傷の増強が起こりうるとされていた。このため、ARFIと超音波造影剤の併用による生体組織における影響の検討を行う必要があった。 対象となる組織は肝臓(温度、組織)、骨(温度)、心臓(不整脈誘発)とした。ウサギは日本白色のオス、体重3kgのものを用い、全身麻酔下に実験を行った。超音波造影剤はペルフルブタンを用いた。肝臓・骨の温度上昇については、ARFI照射用振動子の焦点(肝臓内・骨表面)に熱電対を留置し温度の測定を行う実験系を構築した。肝臓の組織については、肝臓に照射を行った後、ARFI照射部位の組織を採取し標本を作成した。心臓については、造影剤の非投与もしくは投与下にARFI照射を行い、心電図波形を記録することとし、実験系を構築した。 2012年度は、肝臓の温度上昇については、熱電対誘導用の穴が備わった特注のARFI照射用振動子を用いて、ARFIの焦点となる肝臓内に熱電対を留置し温度が測定可能であることを確認している。骨の温度については実験系を構築中である。肝臓の組織については、ARFI照射直後の組織を採取し光学顕微鏡で検討したが、非照射部位、照射部位また造影剤の有無で組織損傷の所見を認めなかった。心臓についても実験系を構築中で、心電図波形に同期して照射が可能かどうかを検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝臓の温度上昇については、熱電対誘導用の穴が備わった特注のARFI照射用振動子を用いて、ARFIの焦点となる肝臓内に熱電対を留置し温度が測定可能であることを確認している。骨の温度については実験系を構築中である。肝臓の組織については、ARFI照射直後の組織を採取し光学顕微鏡で検討したが、非照射部位、照射部位また造影剤の有無で組織損傷の所見を認めなかった。心臓についても実験系を構築中で、心電図波形に同期して照射が可能かどうかを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
肝臓の温度上昇については、温度の測定が可能であることから、超音波強度の指標となるMechanical IndexやPulse Durationなどのパラメーターを変化させて、超音波造影剤の有無による温度上昇の比較を行っていく。骨の温度上昇については、造影剤の有無についての影響は考慮していないが、実験系を構築しARFI照射による温度上昇の程度を測定する。肝臓の組織については、ARFI照射による組織破壊をアポトーシスによる細胞死によって評価するため、照射後24時間後の組織を採取し光学顕微鏡や電子顕微鏡による検討を行う。心臓については、心電図波形のなかで外的刺激により不整脈が誘発されやすい時間帯を狙ってARFI照射を行い、これも造影剤の有無による致死的なものを含めた不整脈誘発について実験を行う予定である。
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Research Products
(10 results)