2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内在化機能を有する抗体を利用した安定かつ無毒性生体内イメージング技術
Project/Area Number |
23300195
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
KAUL Sunil 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (10356751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WADHWA Renu 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究グループ長 (30371090)
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Keywords | 検査・診断システム / バイオイメージング / 抗モータリン抗体 |
Research Abstract |
本研究は、幹細胞、再生医療、診断の研究分野において、広い応用性のあるイメージング技術を開発することを目的としている。当研究室で見出したモータリン抗体は細胞内在化の性質を持つことから、in vitro、in vivoを問わず、遺伝子導入やイメージング実験の強力なツールとなることが予想される。しかし、モータリンを抗原とする全ての抗体がこの性質を示すわけではなく、特異性と抗体価が同じでも内在化しない抗体があるため、高い細胞内在化機能を有するモータリン抗体の作製が必要である。そこで、初年度、より内在化効率の高いモータリン抗体を得るために、モータリンに対する新しいポリクローナルおよびモノクローナル抗体の作製に着手した。Hisで標識化した組換えモータリンタンパク質をバクテリア内で発現させ、NTAアガロースを用いて精製した。タンパク質の純度は、SDSゲルにより確認し、単一バンドを有する高純度のタンパク質をウサギおよびマウスへの免疫に使用し、モータリンに対するポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の作製に成功した。これらの抗体のヒト細胞モータリンに対する反応性をウェスタンブロッティングおよび免疫染色により検討し、高い特異性を確認した。また、細胞内在化機能を検討したところ、新規に作製したポリクローナルおよびモノクローナル抗体は、過去に作製した細胞内在化抗体と同様、培養液に加えるだけで内在化する特徴的な機能が確認された。初年度の解析から、本プロジェクトにおいて作製した抗体は、過去に作製した抗体に比べ、モータリンタンパク質に対する特異性が高く、細胞内在化能も高いことが示唆された。新規抗体の細胞内在化の分子機構を解析し、モータリン抗体をナノキャリアとして用いたバイオイメージングや遺伝子導入のツール開発へと繋げていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モータリンタンパク質に対し特異性が高く、細胞内在化特性を有するポリクローナルおよびモノクローナルの抗モータリン抗体を得ることができた。新規に作製した抗体は、高い細胞内在化能を有しており、イメージングに利用できる有用な抗体を作製することができたと考えられる。本年度、イメージングや遺伝子導入におけるモータリン抗体の利用を学会や誌上等で発表し、社会に発信することもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
新規に作製した抗体のエピトープおよびパラトープ解析を進める。さらに、抗体の細胞内在化について、様々なヒトがん細胞株を用いて検討する。
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