2011 Fiscal Year Annual Research Report
リハビリテーション運動療法の多面的効果における臓器連関の機序解明
Project/Area Number |
23300196
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 修 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00361072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 信芳 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50463790)
上月 正博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70234698)
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Keywords | リハビリテーション / 臓器連関 / 腎臓 / 循環器・高血圧 / 酸化ストレス / 組織・細胞 / 動物 |
Research Abstract |
長期的運動(EX)の降圧や腎保護効果の機序を明らかにするため、NO産生系へのEXとNADPH oxidase阻害薬apocyninおよびxanthin oxidase阻害薬alloprinolの併用効果を検討した。高血圧自然発症ラット(SHR)とWistar_Kyotoラット(WKY)をそれぞれ対照群、EX群、薬物投与群、併用群に分け、EX群にはトッレドミル運動を実施し、薬物投与群にはapocyninおよびalloprinolを飲水投与した。8週後、ExはSHRでは血圧を低下させ、クレアチニンクリアランスを増加させたが、WKYではどちらにも影響しなかった。EXは、両系ラットで血漿と尿中のH_2O_2とNO_x、腎と大動脈のeNOSとnNOS発現を増加させた。Exとapocyninの併用は、SHRではapocynin単独と比べて血漿と尿中のH_2O_2とNO_x、腎のeNOSとnNOS発現の有意な増加を認めたが、WKYではapocynin単独効果と比べて有意な変化を認めなかった。一方、Exとalloprinol併用は、SHRではEx単独と比べて血漿と尿中のH_2O_2とNOx、腎のNOS発現の増加を有意に減弱させたが、大動脈のeNOSとnNOS発現の増加に影響しなかった。Exとalloprinol併用は、WKYではEx単独効果と比べて血漿と尿中のH_2O_2とNOx、腎と大動脈のeNOSとnNOS発現の増加に有意な差を認めなかった。以上の結果から、EXによる大動脈のNOS発現増強効果は、WKYとSHRで共にNADPH oxidase依存性であるが、腎のNOS発現増強効果は、WKYではNADPH oxidase依存性であり、SHRではxanthin oxidase依存性であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長期的運動による大動脈および腎の酸化ストレスやNO系に対する影響を明らかにすることができたが、心臓や骨格筋に与える影響は未だ明らかにできていない。組織レニン-アンジオテンシン系への長期的運動による影響については、現在も検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
SHRの腎においては、長期的運動によるNOS発現増強効果は、xanthin oxidase依存性であることが明らかになったことから、xanthin oxidase活性の高い骨格筋における長期的運動による影響について検討を予定している。組織レニン-アンジオテンシン系への長期的運動による影響については、さらに検討を進める予定である。
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Research Products
(7 results)