2012 Fiscal Year Annual Research Report
リハビリテーション運動療法の多面的効果における臓器連関の機序解明
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23300196
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 修 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00361072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 信芳 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50463790)
上月 正博 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70234698)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 臓器連関 / 腎臓 / 循環器・高血圧 / 酸化ストレス / 組織・細胞 / 動物 |
Research Abstract |
長期的運動の降圧や腎保護効果の機序を明らかにするため、食塩感受性高血圧動物モデルにおいてそれに伴う腎障害の発症や進展に対して長期的な運動が与える影響について検討した。 雄性Dahl食塩感受性ラットを0.5%通常食塩食摂取+非運動群(NS群)、通常食塩食摂取+運動群(NE群)、8%高食塩食摂取+非運動群(HS群)、高食塩食摂取+運動群(HE群)の4群に分け、運動群にはトレッドミル運動を8週間実施した。 高食塩食負荷により血圧は著明に上昇し、8週間の介入後の血圧に関してHS群とHE群との間に有意差は認められなかった。腎臓の重量は高食塩食負荷により有意に増加し、長期的運動によりこの腎臓重量の増加が有意に抑制された。生化学的検討では、高食塩食負荷により尿中蛋白ならびにアルブミン排泄量の増加、血漿アルブミン値の低下、血漿総コレステロール値の増加が認められ、長期的運動によりこれらの変化は有意に改善した。クレアチニンクリアランスは高食塩食負荷により有意に低下したが長期的運動により改善される傾向が認められた。酸化ストレスの指標である尿中TBARS排泄量は高食塩食負荷にて有意に増加したが、長期的運動により有意に軽減した。NO代謝産物であるNOxの尿中排泄量はHE群のみで増加傾向が認められた。腎皮質と髄質のeNOSおよびnNOS蛋白発現は高食塩食負荷により著明に増加し、長期的運動により腎皮質のeNOS蛋白発現が抑制される傾向が認められた。腎髄質のCYP4A蛋白発現は高食塩食負荷により有意に低下したが、長期的運動によりCYP4A蛋白発現低下は軽減した。 以上の結果から、食塩感受性高血圧ラットにおいて長期的な運動は腎保護作用を有することが明らかとなった。また、その作用機序は血圧とは独立したものであり、運動による酸化ストレスの軽減、NOS産生系や腎アラキドン酸代謝の改善が関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長期的運動による大動脈および腎の酸化ストレスやNO系に対する影響を明らかにすることができたが、心臓や骨格筋に与える影響は未だ明らかにできていない。平成23年度に高血圧自然発症ラットの腎においては、長期的運動によるNOS発現増強効果がxanthine oxidase依存性であることが明らかになったことから、xanthine oxidase活性の測定法を新たに確立し、現在各種臓器におけるxanthine oxidase活性をNADPH oxidase活性と共に検討し、長期的運動の影響を明らかにしている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に検討した高血圧自然発症ラットと平成24年度に検討したDahl食塩感受性ラットでは、長期的運動による血圧や腎内酸化ストレスやNO系に対する効果の差異が明らかになったことから、その効果の差異をもたらす機序の違いについてさらなる検討が必要と考えられる、NOのみならず、今回新たに明らかになったCYP4Aによるアラキドン酸代謝や腎内脂肪酸代謝への影響が腎保護効果に関与する可能性について明らかにしていく。
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Research Products
(20 results)