2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23300206
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
兪 文偉 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20312390)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 機械力学・制御 / 医療・福祉 / ユーザインターフェース / 義肢 / リハビリテーション |
Research Abstract |
プロジェクトの2年目において、ロボットアームとしてのマイクロ空気アクチュエータ駆動多節パラレルリンクプロトタイプを製作し、モデル同定によって、ロボットアームの制御方法を検討した。さらに、外乱に対するロボットアームの安定性を向上するために、運動中外乱に対する上肢の反射反応を計測し、上肢の外乱反射モデルを構築した。具体的には、以下の4項を実行する。 1) プロトタイプの作成:前年度で詳細設計を行ったパラレルリンク機構(各節3自由度)の部品別設計を行い、さらに部品の加工、組み立てを経て、ゴム材と金属材をバックボーンとするマイクロ空気アクチュエータロボットアームのプロトタイプをそれぞれ作成した。また、可動域を確保するための機構も組み入れた。 2) プロトタイプの評価実験:前項で作成したとする2種類のプロトタイプとそれぞれのシミュレーションモデルの運動学、力学特性の比較を行い、シミュレーションモデルとプロトタイプの同異点を検討した。肩義手としてのロボットアームの仕様に満たされているかについて検討した。 3) 制御モデルの構築:空気アクチュエータの非線形性に適応できる制御法として、誤差フィードバック学習法によって、学習的に制御器を獲得することを試みた。さらに、個人適応型動作意図識別システムと併用することによって、製作したロボットアームを用いて、ユーザの意図から、ロボットアームを制御する実験を行った。 4) 上肢の反射機能の計測及びモデル化:本研究は外乱(手先、肘、肩部に短時間加える外力)発生時上肢の反射機能を計測、モデリングを行った。そのモデルを肩義手の制御システムに付け加えることによって、肩義手システムが外乱に瞬時に対応し、運動学的により安定になっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,適切な弾性率を有するゴムを構造のバックボーンとする小型空気アクチュエータ駆動パラレルリンク機構,及び小型空気アクチュエータを用いて,固有柔軟性を持つ軽量,高自由度,折りたたみ型ロボットアームを構築し,また,肩義手のための動的個人適応型インタフェースを開発することによって,日常生活の使用に適する肩義手システムを構成,検証・評価することを目的とする. 本研究の内容は、義手機構の開発とインタフェースの開発に分けることができる。現在義手機構の開発は、おおむね研究計画の通り進んでいる。パラレルリングの柱とするバクボーンをゴムにすることによって、金属棒のバックボーンより、エンドエフェクターの可動域が増えたが、まだ日常生活動作を考慮した作業空間をカバーすることができなかった。そのために、片側の空気アクチュエータが収縮するときに、反対側の空気アクチュエータがその動きを妨げないように、内側(バックボーン側)にスライディングする機構を導入した。結果ゴム棒バックボーンとスライディング機構を併用することで、エンドエフェクターの可動域が大幅に増加し、実用できる程度までに達した。 インタフェースの研究は計画通り進んでいる。 上腕部及び肩の筋活動情報によるリーチング動作、及び手先のアプローチ方向、手先の姿勢の識別は高い識別率を達している。同類研究が少ないオリジナリティの高い研究成果となっている。また、外乱に対する上肢反応の系統的調査によって、上肢の反射反応の解釈及びモデル化ができ、上肢運動の安定化に貢献している。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に、計画通りに進めていく。予想する問題点としては、定位置制御が所定の精度に達成できないことである。その場合、フードフォーワードとフィードバック制御の組み合わせで対応していく。
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