2012 Fiscal Year Annual Research Report
手話表記統一フォーマットの提案とそれを用いた聴覚障がい者向け支援システムの開発
Project/Area Number |
23300215
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
木村 勉 豊田工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (80225044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 和幸 中京大学, 国際教養学部, 教授 (70132123)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 日本手話 / 情報保障 / 聴覚障がい / 携帯情報端末 / USC / 手話コード / タブレットPC |
Research Abstract |
本年度は主に支援システムの開発と評価実験を行なった. 1つめの支援システムとして,携帯情報端末(たぶれっとPC)を用いた聴覚障がい者・健聴者間コミュニケーション支援システムを開発した.このシステムは介護現場において,被介護者が聴覚障がい者であり,介護者が健聴者の場合に起こる意志の食い違いを減少させることを目的としたものである.聴覚障がい者と健聴者で,それぞれ携帯情報端末を利用する.2台のタブレットは無線LAN(Bluetooth)でつながっており,聴覚障がい者側は手話動画,健聴者側は書記日本語で,介護現場で多く使われる単語が表示されている.それぞれがその単語を選択することで,相手に伝えたいメッセージが送信され,コミュニケーションを支援する. また,情報保障システムの評価例として,水族館で携帯端末を使った手話による情報保障システムに関する評価実験を行った.このシステムは,館内に張り巡らされたWiFiを通じて,高画質な手話動画を配信し,生きものの解説を行なうものである.手話だけでなく,日本語,日本語音声,英語,英語音声による解説も用意した.イルカショーなどの館内イベントの案内は,館内放送による音声で行なわれていいたが,情報端末にもその情報が文字で表示されることで,聴覚障がい者にも案内できるようにした.評価結果は,おおむね良好であったが,ただ,解説を見るときは手持ちの携帯情報端末(スマートフォンなど)をいちいち操作する必要があるため,自動的に再生できるようなシステムが望まれた.この問題については,今後の課題とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
支援システムについては,いくつか開発し,評価実験まで行うなど,計画以上に進んでいる.しかしながら当初予定していた手話アニメーションへの応用が不十分である.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度以降は,これまでに開発してきた支援システムを実用化するための問題点の洗い出しと,その解決策の検討,および改善を行なう. さらに,応用システムとして聴覚障がい者向けの避難誘導システムを検討する.これは,これまでの研究成果である聴覚障がい者向けの情報保障システムに組み込む形で実現する.通常は,水族館などのガイドアプリとして利用するが,災害時には避難誘導を行なうシステムである.平常時のシステム利用率を上げることで,非常時での被災率を下げることができる.
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