2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23300220
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
朝岡 正雄 筑波大学, 体育系, 教授 (90070606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 淳 筑波大学, 体育系, 教授 (50178802)
高木 英樹 筑波大学, 体育系, 教授 (80226753)
卞 圭悟 (大山 圭悟) 筑波大学, 体育系, 講師 (80312833)
金谷 麻理子 筑波大学, 体育系, 准教授 (00284927)
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Keywords | できる / 促発能力 / 動感 / 運動感覚図式 / 運動共感 / 運動体験 / 動感素材 / 形成位相 |
Research Abstract |
平成23年度は、わが国における運動指導に関する研究の現状を把握すると共に、スポーツ運動学の立場から熟練指導者の指導方法について検討することを目的とした。これに関連して、朝岡は、主にヨーロッパ圏におけるスポーツ科学に関する研究分野の発展史から、わが国における運動指導を題材とする研究のあり方について検討し、「ドイツ語圏における発展過程から見たコーチング学の今日的課題」としてまとめた。佐野は、運動における「コツ」の言語表現について発生運動学的立場から検討すると共に、器械運動における基礎技の習得過程について情報収集を行った。高木は、水泳における「けのび」の指導法に着目し、従来の指導法を検証すると共に、あらたな指導法の効果を検証するための評価法について考察した。この研究は「浮くことに主眼をおいた「けのび」の指導法の有効性の検証」としてまとめられ、現在論文投稿の準備中である。大山は、茨城県を中心とした小・中学生および教員を対象に、陸上競技における投擲種目の競技力および指導の現状について聞き取り調査を実施した。また、砲丸投げにおいて習得が難しいとされている回転投法に着目し、「できる」ようになるための指導法をまとめた。金谷は、「できる」に対する「できない」に着目し、体操競技において一度できていた技ができなくなってしまった大学女子選手を対象に、技の修正活動に関する実験を行った。ここでは、跳馬における「ユルチェンコ跳び」についてインタビューおよび実験課題の実施を通して、できなくなってしまった理由を探り、その問題点の解決を図ることで再びできるようになるだけではなく、よりよくできる、いつでもできる「コツ」を身につけるための方法について検討した。また、これらの研究から、各運動種目における指導内容および指導者に求められる能力には種目特性による多様性が確認された。一方で、動感(運動感覚能力)の発生に着目した指導において指導者が学習者の運動感覚図式の形成に直接関与するには、指導者自身が自らの運動体験に目を向け、そこで得られた動感をもとに学習者の運動感覚世界に潜入することが不可欠であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した研究課題の目的をおおむね達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、これまでに収集した情報に基づいて各運動種目における指導者に必要な促発能力の比較・考察を行い、その相違点を明らかすると共に、未熟練指導者の指導の現状とその問題点について情報を収集し、指導者養成プログラムの構築のための基礎資料を作成する。
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Research Products
(2 results)