2011 Fiscal Year Annual Research Report
野球における選手の能力を最大限に生かす最適バットの選定に関する研究
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23300230
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
前田 正登 神戸大学, 大学院・人間発達環境学研究科, 教授 (90209388)
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Keywords | 野球 / バット / スイング / 慣性モーメント |
Research Abstract |
本研究課題は,従来から申請者が提唱する最適なバット選びに関する仮説を修正した野球選手の能力を最大限に生かす最適バットの選定に関する新たな仮説を検証するものである。申請者が,これまでに積み上げ作り上げてきた最適バットに関する理論の精度を高めるとともに,すべての野球選手や野球愛好者に幅広く適用できるように,より堅実な理論に再構築することを目的とするものである。 従来からの研究テーマであったバットとスイングとの相互間の影響だけでなく,選手の技術・体力レベルの違いや選手のスイングタイプの違いによる影響をも検討の対象とする。バットの特性が変わるとスイングはどのような影響を受けるのか,また,それらの影響は選手それぞれで異なるのかなど,バットとスイングとの相互の関わりを究明し,最適なバット選定に関する理論の確立を目指す。 本年度は,実験を遂行していくための環境整備及びそのための実験を手がける計画であった。具体的には,実験用バットの製作と測定機材の整備,及び大学選手を対象とした予備実験を行うものであった。 実験用として,バットの重心位置と全体重量を変更でき,かつバットに加わる加速度が測定できるバットを製作した。また,選手の打撃技術の量的評価をより確実にするために,高速度ビデオカメラを購入してスイング中のバットの挙動及び選手の打撃動作を分析できるように実験環境を整備した。 これらの測定機器を用いて予備実験を行ったところ,本研究の主旨に適った実験環境を整えることができたことが確認できた。次年度には計画している測定実験の1つを手掛ける予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本経費の交付が決定したのが11月であり,また本年度は研究初年度であったため,本年度の研究実施計画についても,本研究を通して計画されている複数の測定実験を順調に行うことができるように,実験環境を整備することが本年度内に必ず達成しておくべき課題であった。それがほぼ達成できたため,ここまでは順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度に達成すべき課題であった実験環境の整備ができ,今後は計画している実験を順次行っていくことになる。実験の遂行に当たっては,様々な競技レベル,あるいは,異なる年齢層の選手を被験者にすることを予定しているので,それぞれの目的に適った被験者を確保することが当面の課題となろう。これには,関係方面に働きかけ打診することを繰り返すほかなく,可能な限り被験者数を確保するために努力する。また,各実験を予定通り実施することができれば,次に生じる問題点は膨大な実験データの整理であろう。これについては,大学院生等を本経費で雇用するなどにより迅速に対応する予定である。
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