2012 Fiscal Year Annual Research Report
野球における選手の能力を最大限に生かす最適バットの選定に関する研究
Project/Area Number |
23300230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
前田 正登 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (90209388)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2015-03-31
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Keywords | 野球 / バット / スイング / 慣性モーメント |
Research Abstract |
本研究課題は,従来から申請者が提唱する最適なバット選びに関する仮説を修正した野球選手の能力を最大限に生かす最適バットの選定に関する新たな仮説を検証するものである。研究代表者が,これまでに積み上げ作り上げてきた最適バットに関する理論の精度を高めるとともに,すべての野球選手や野球愛好者に幅広く適用できるように,より堅実な理論に再構築することを目的とするものである。 昨年度は,実験用として,バットの重心位置と全体重量を変更でき,かつバットに加わる加速度が測定できるバットを製作した。また,選手の打撃技術の量的評価をより確実にするために,高速度ビデオカメラを購入してスイング中のバットの挙動及び選手の打撃動作を分析できるように実験環境を整備した。 本年度は,昨年度製作した実験用バットを用いて,それの特性を様々な条件で設定し,多種多様な特性条件の下で(i)大学野球選手,(ii)中学生あるいは高校生選手を対象としてボールを打撃する実験を行う計画であった。 これら実験の結果は分析中であり公表できる段階にはないが,バットの特性を変化させるとスイングスピードも変化する,といった従来の報告と同様の結果が得られる見通しであるが,他方で,本研究の目的を達成するためには異なる特性のバットを使用した時の「打撃の正確性」を量的に評価できるようにする必要があることもわかってきた。次年度には本年度行った実験と同様の被験者で「打撃の正確性」を観点に打撃実験を手掛ける予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の当初に計画していた実験は順調に行うことができた。本年度に行うとした実験がほぼ達成できたため,ここまでは順調に進展していると評価できる。しかし,これら実験結果の分析をしていく中で,従来通りにバットのスイングスピードを評価するだけでは十分でないこともわかってきており,本研究には「打撃の正確性」についての観点が不可欠であることを認識した。したがって,次年度には当初の研究計画を一部変更し,「打撃の正確性」を評価項目に入れることについて重点的に検討したい。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,一昨年度購入した高速度ビデオカメラで打撃時の選手のスイングを収録するとともに,スイング中のバットおよびボールの3次元挙動を解析して,実験バットを用いてボールを打撃する時,スイングのどの時点でボールを打撃しているのかや,バットのどの位置でボールを打撃しているのかなどについてデータを収集する計画である。 これらの測定実験は野球を専門とし打撃に熟練した被験者を必要とするため,申請の一部はこれら被験者の謝金に充てられる。なお,被験者には事前に内容を十分に説明し了承を得てから行うものである。また,これら実験結果の分析にあたっては,1回のスイングにつき,測定値として得られる実験結果が膨大な量となることが予想される。これらの分析にあたっては,研究補助者を雇用して適宜処理していく予定である。
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