2011 Fiscal Year Annual Research Report
24時間エネルギー代謝と体組成からみた生活習慣病予防に有効なトレーニング法の開発
Project/Area Number |
23300232
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
高松 薫 流通経済大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90015727)
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Keywords | レジスタンス運動 / エアロビック運動 / 肥満 / 糖代謝 / 脂質代謝 |
Research Abstract |
本年度は、(1)レジスタンス運動のみを行う条件、(2)エアロビック運動のみを行う条件、(3)レジスタンス運動とエアロビック運動を組み合わせて行う条件でのエネルギー代謝の応答を、運動終了後24時間まで経時的に比較した。成人男性10名を対象に、60分間のレジスタンス運動を行う試技(RT)、60分間のエアロビック運動を行う試技(ET)、30分間のレジスタンス運動と30分間のエアロビック運動を行う試技(COMBINED)、安静状態を維持する試技(REST)を設け、それぞれ異なる日に実施した。レジスタンス運動には、最大挙上重量の65%の強度で8種目の運動を用いた。エアロビック運動には、最大酸素摂取量の65%の強度でのペダリング運動を用いた。その結果、運動終了後6時間での成長ホルモン濃度の変化量は、RTがその他の3試技に比較して有意に高値を示した(P<0.05)。血中グルコースおよびインスリン濃度の変化量に試技間で差はみられなかったが、運動終了後6時間での血中遊離脂肪酸およびケトン体濃度の変化量は、ETがRTおよびRESTに比較して有意に高値を示した(P<0.05)。 運動終了後6時間での安静時における酸素摂取量は、RT、ET,COMBINEDがRESTに比較して有意に高値を示した(P<0.05)。一方、呼吸交換比はRTが最も低値を示し(脂肪利用の増加を反映)、ETおよびRESTとの間に有意差が認められた(P<0.05)。一方、運動終了24時間後では、酸素摂取量および呼吸交換比には試技間で有意差はみられなかった。以上の結果から、運動後24時間における代謝・内分泌応答はレジスンタンス運動とエアロビック運動の組み合わせ方により大きく異なること、レジスタンス運動はエアロビック運動に比較して、成長ホルモンの分泌や運動後の脂質利用の増加を亢進させることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レジスタンス運動とエアロビック運動をそれぞれ単独で実施した条件、両運動を組み合わせて実施した条件での運動後24時間のエネルギー代謝の変化を検討することができ、明確な結論を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究結果をふまえて、平成24年度以降は各運動条件の長期のトレーニング効果の相違を、エネルギー代謝、内分泌応答、体組成の変化など多様な観点から比較することが必要である。この研究は、平成24年度内の実施を予定しているが、対象人数などの都合により当年度内で完結させることが難しい場合には、平成24年度、25年度の2年簡間に分割をして実施することにより対応する。
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