2012 Fiscal Year Annual Research Report
24時間エネルギー代謝と体組成からみた生活習慣病予防に有効なトレーニング法の開発
Project/Area Number |
23300232
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
高松 薫 流通経済大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90015727)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | レジスタンス運動 / エアロビック運動 / 生活習慣病 / グレリン / 食欲調節 |
Research Abstract |
【研究実績の概要】 本年度は、食欲調節の観点から、一過性のレジスタンス運動やエアロビック運動に対する内分泌応答や主観的空腹感・食欲の変化を検討した。成人男性10名を対象に、60分間のレジスタンス運動を実施する試技(RT)、60分間のエアロビック運動を実施する試技(ET)、30分間のレジスタンス運動と30分間のエアロビック運動を実施する試技(COMBINED)、安静状態を維持する試技(REST)を設け、それぞれ異なる日に実施した。レジスタンス運動には最大挙上重量の65%の強度で8種目の運動を用いた。エアロビック運動には、最大酸素摂取量の65%の強度でのペダリング運動を用いた。その結果、RTでは運動後に空腹感を亢進させるグレリンの血中濃度が大きく低下し、他の3条件との間に有意差が認められた(P < 0.05)。一方、ETとRESTでは血漿グレリン濃度の変化に有意差はみられなかった。食欲抑制に作用するグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)濃度の変化の動態に試技間で有意差は認められなかった。主観的空腹感および食欲は運動後に有意に低下したが、RTではそれらの変化が最も大きかった(P < 0.05)。一方、運動24時間後における値には、試技間で有意差はみられなかった。結論として、レジスタンス運動は血中グレリン濃度を顕著に減少させ、一過的に食欲を軽減させること、これらの効果は、エアロビック運動のみやレジスタンス運動とエアロビック運動をいずれも実施した場合に比較して大きいことが明らかになった。 以上の結果をふまえると、運動様式の相違は内分泌応答の変化を介し運動後数時間における食欲調節に影響するが、運動翌日にまで影響しないと考えられる。一方、長期のトレーニングに伴い食欲調節が変化する可能性もあり、この点については今後検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで一過性の運動に対する糖・脂質代謝、エネルギー代謝、食欲調節に関わる内分泌応答などを検討し、生活習慣病予防に有効なトレーニング法作成に関わる重要な知見を得ることができた。したがって、研究の進捗は概ね順調であると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、長期のトレーニングに対する体組成の変化に着目した大規模な介入研究を実施する。これまでに実施した一過性の運動に対する生理的応答に関する結果と併せて、生活習慣病予防に有効なトレーニング法を提案する。
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