2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23300233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
木内 明 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (70298181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 隆憲 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (70184463)
谷釜 尋徳 東洋大学, 法学部, 准教授 (40527933)
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Keywords | 気功 / 変容 |
Research Abstract |
5年計画の初年度は、研究を進める方法論を作り上げるため、各研究分担者の間でこれまでの研究成果を共有し、知見を高めるための研究会を複数回開催、その中で、伝播しながら変容していく武道の例を多く取り上げ考察を重ねた。 具体的な研究成果としては、中国人気功師に関するライフヒストリー調査によって、中国から日本に伝えられた気功の価値がいかに変化するのか、中国人気功師の日本における就労類型や彼を取り巻く社会的環境などから、ある程度その社会的条件を把握することができた。中国で伝えられていた気功は、日本という異文化において、いわば個人資本としての経済的な価値が上昇し、趣味から経済的対価を求めることができる職業へと変容を遂げていた。その変容をもたらした要因には、一つに日本社会における気功の相対的な希少性と、健康が価値ある商品として消費される市場が成立していた現代的な事情があった。 また、グレーシー柔術に関する調査研究により、柔道の前身である日本の柔術が、19世紀末から20世紀初頭にかけて様々な格闘術を身に付けた外国人たちとの試合において、いかに変容を遂げながら行われていたのかが明らかになった。そこには、講道館が目指す柔道とは異なる価値基準のもとで、確実に勝利をものにするために戦法を適応させる柔術が存在していた。相手の格闘スタイルによって常に臨機応変に有効な決め技を変えなければならず、そのことが戦法のみならず柔術自体のスタイル変容に大きく関与していた。 さらに、今年度はベトナムで現地に適応しながら変容を遂げている空手に関する国内資料の収集にも努めた。現在、資料の分析過程にあるが、そのデータを基に24年度に予定している現地予備調査の対象団体の検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度としては、ある程度計画通りの研究会議と予備調査を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
韓国における現地調査のデータが膨大でその整理がやや遅れ気味であるため、今後は資料整理にも計画以上の時間を配分する必要がある。
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Research Products
(2 results)