2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23300233
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
木内 明 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (70298181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷釜 尋徳 東洋大学, 法学部, 准教授 (40527933)
石井 隆憲 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (70184463)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 武道 |
Research Abstract |
25年度は、前年までと同様、木内は中国で発祥し伝承されてきた後、韓国に伝播した中国武術や気功の韓国社会における変容に関する調査を行った。谷釜は日本からブラジルに渡り、再度日本に伝えられたグレーシー柔術の流入後の歴史的な変遷を調査した。石井はトルコにおける合気道の近代化の過程での変容を事例として、武道の変容パターンを考察すべく調査を行った。 木内は、90年代以降の韓国における中国武術の導入過程における、韓国社会の受容実態を調査してきたが、25年度は中国気功の韓国への流入とその後の変容に関する調査を行った。中国武術の多くが韓国に伝えられたのが過去20年という短い期間だったため、導入にかかわった当事者らに直接、聞き取り調査を実施することも可能だった反面、気功は情報が乏しく、中国から伝えられた時期やその経緯を特定することが難しく、さらに現代中国においてもその形態が多彩であることから、変容の実態を特定することが予想していた以上に困難を極めた。 石井は、トルコに伝えらえた日本の合気道が、社会の近代化の中で日本の合気道とは異なる顕著な変容を遂げたことに着目し、その変容の過程を明らかにすることで、武道の変容を考察する上での一類型パターンを描くことを試みた。谷釜は、従来同様、グレーシー柔術の日本への再流入後の歴史的な変遷を調査することで、武道の変容の特性を明らかにすべく、文献記録などを中心に調査を行った。 数回に渡って研究会を実施し、それらの内容について意見を交換し、今後の理論化に向けて検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度は、谷釜によるグレーシー柔術の変遷に関する研究は、概ね結論付ける状況まで検討も進み、一つの変容パターンに迫ることが可能な段階に来ている。石井は、武道の変容を明らかにするために、トルコで実践されている合気道の変容をとりあげ、それを伝播元の日本の合気道と比較し、理論的に確実に研究目的に迫りつつある状態である。木内は気功の調査が難しかったために、他の2人に比べ、進捗状況がやや遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで3人がそれぞれ実施した調査成果を共有しつつ、理論化に向けて少しずつ検討を始めたい。 26年度はこれまで以上に研究会の回数を増やし、理論的な情報について足りない部分は、研究分担者以外の外部の専門家の意見や情報をさらに積極的に取り入れていきたい。 昨年度、研究会を通じて紹介されたドイツ人や韓国人の武道研究者の協力も視野に入れ、研究の精度を高めていこうと考えている。
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Research Products
(3 results)