2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23300243
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飛田 渉 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (10142944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 建文 東北大学, 病院, 准教授 (40375001)
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Keywords | 尿中バイオマーカー / 生活習慣病 / 高血圧 / アンジオテンシノージェン |
Research Abstract |
本研究の目的は、尿検体から生活習慣病マーカー、生活習慣の指標となる物質の同定を目的としている。若年者である大学生でも、生活習慣が崩れることで生活習慣病の予備群となる。中には生活習慣病が発症し始めることも少なくない。そこで生活習慣病予備群を早期にスクリーニングし、生活習慣の改善や生活習慣病の予防及び早期診断行うことが重要と考えられる。大学では入学時と年に一度健康診断が行われる。入学時の健康診断では尿の回収が行われるが、尿には血液と同様に多くの生体情報が含まれている。また尿は採取が簡便でかつ非侵襲性である。そこで本研究では、入学時に行われる健康診断で回収される尿を用いて生活習慣病マーカー、生活習慣病の指標となる物質の探索を行った。2011年度新入生うち2326名の早朝第一尿検体を回収した。回収した尿検体から無作為に111検体を選別した。これらの検体を用いて以下の測定を行った。炎症マーカーであるMonocyte Chemotactic Protein-1(MCP-1)、酸化ストレスマーカーであるチオバルビツール酸反応性物質(TBARS)、レニン・アンジオテンシン系(RAS)の活動指標となるアンジオテンシノージェン(AGT)、カルボニルストレスと関連のあるメチルグリオキサール(MG)の尿中への排泄量をELISA、HPLCで測定を行った。得られた結果を生活習慣病の一つである高血圧との関連を調べるため、健康診断時に得られた血圧データとの関係を調べた。世界保健機関の基準である140/90mmHg以上を血圧高値群とし、140/90mmHg未満を血圧正常値群とした。本研究から、血圧とBMIには強い正の相関がみられ、血圧高値群においてそれぞれ尿中MCP-1、TBARS、MCP-1排泄量が血圧正常群と比較して有意に増加していることが示された。これらの結果から、高血圧を指摘されていない若年者でも血圧の上昇と共に酸化ストレス、炎症が亢進していることが示唆された。今回の結果は、尿中マーカーが生活習慣病の早期スクリーニングに有用であることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的である学生の尿検体約2500検体を無事に回収することができ、尿中に排出されている炎症マーカーであるMCP-1、酸化ストレスマーカーであるTBARS、RASの活動指標であるAGTの排泄量を測定することができたため、予定していた測定は計画通りに進展している。しかし、動物を用いた尿中物質の動態の結果が得られていないため、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
高血圧、糖尿病および腎機能障害患者の尿検体を回収する。尿中MCP-1、TBARS、AGT排泄量を測定する。さらに高速液体クロマトグラフィー(HPLC)や質量分析装置(LC-MS)を用いて尿検体に存在する物質のデータベースを作成する。さらに前年度結果が得られていない動物を用いた尿中物質の動態についても検討を行う。
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