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2012 Fiscal Year Annual Research Report

横隔膜筋電位による笑いの定量化システムの構築とそれを用いた応用健康科学的研究

Research Project

Project/Area Number 23300248
Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

森下 伸也  関西大学, 人間健康学部, 教授 (70174414)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 広崎 真弓  関西大学, 人間健康学部, 助教 (70586304)
松阪 崇久  関西大学, 人間健康学部, 助教 (90444992)
Project Period (FY) 2011-04-01 – 2014-03-31
Keywords笑い / 筋電図 / 生体信号 / 波形解析 / 横隔膜 / 健康 / 客観的指標 / 笑いの定量化
Research Abstract

本研究では、横隔膜近傍で取得される筋電信号を用いて笑いを高精度に認識し定量化する独自のアルゴリズムの構築を行い、さらに、それを応用健康科学領域で活用することを目的としている。
平成24年度では、横隔膜近傍において取得されたさまざまな身体反応の筋電データをもとに、笑いと笑い以外の動きを弁別するために、周波数解析の手法を用いて笑いに特有の筋電波形の特徴の把握を試みた。また、それらと並行し、研究会等への参加・報告を通して医学・生体信号処理等、各専門領域に関わる専門家からの助言を受け、各関連領域の資料収集に努めた。以上で得られた知見の下、本研究の課題遂行に必要となる波形解析用のソフトウェア・プログラムの構築を行った。その結果、笑いの発生時に腹部から取得された筋電波形から笑いとそれ以外の動作の周波数特性の違いをより明瞭な形で比較できるようになり、笑いの量を定量的に把握するための端緒を見出すことができた。
以上に示したように、筋電計をもちいて笑いと笑い以外の身体動作を弁別し、笑いに特有の筋電位波形に見出される周波数帯域を特定したこと、さらに、それを手がかりとして笑いの量を客観的・定量的に把握する手法に関する端緒が得られたことは、応用健康科学領域において、従来、無意識のうちに表出されてはその場で消失・忘却されていたために捉えがたかった笑いと心身の健康との関連性を探る上で、きわめて重要な意義を持つものであるといえる。本研究において、笑いと健康との具体的な対応関係を明らかにするための知見を得られたことが本年度の成果である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は、笑いと健康指標との対応関係を客観的・定量的に明らかにすることである。従来、笑いを定量的に把握する手法については、笑った際の1)表情、2)笑い声、3)腹部の反応に着目するものがいくつか試みられている。これらのうち、われわれは腹の底から起こる「おかしみ」や「面白さ」をともなう笑いが発生している際に動くと考えられる横隔膜の反応を筋電計を用いて把握する手法を用いて、笑いに関するさまざまな予備的実験を行ってきた。その結果、1)と2)の笑いは「おかしみ」や「面白さ」をともなわずとも意図的に発することができるのに対し、3)腹部において検出される笑いには、それらの感情がともなうことが見出された。この視座に基づき、本研究では、3)腹部に反応が見られる大きな笑いが心身の健康に影響を与えるものと想定し、同部位において検出される笑いを定量的に把握する手法を構築することを最初の研究課題として設定し、次いで、笑いと心身における各種健康指標との対応関係を客観的・定量的な観点から比較・分析することを通じて、本研究の目的の達成を目指した。
本年度では、笑いを定量的に把握する手法を構築するにあたり、信号処理を専門とする技術者との意見交換の場を適宜設けながら、笑いとそれ以外の身体動作から生じる生体信号波形を比較・検討するため、独自の波形解析用ソフトウェア・プログラムの構築を行った。この波形解析ソフトを用いることで、従来、煩雑な手続きが求められていた波形の分析作業の効率化が図られ、本研究の目的のひとつである笑いの定量的な把握を実現可能とする手法を見出すことができた。笑いと健康指標との客観的な対応関係を検討することが次の課題となることから、全体の進捗状況から鑑みるに、おおむね順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

本年度では、笑いを定量的に把握する手法を構築するにあたり、新たに構築したソフトウェア・プログラムを活用することによってさまざまな知見を見出すことができた。ただし、性別・年齢・体重・体脂肪率・筋肉量などの個体差が見出される場合においても、同程度の笑いの量の検出が可能かどうかについては、さらなる数の波形データを収集したうえで検証を重ねる必要がある。この課題に対する解決方法としては、さまざまな個体差にもとづく波形データの収集を行い、笑い発生時の笑いの検出精度を検証した上でその補正を行っていくことと、本年度で得られた成果の下、ソフトウェアに改善を加え、ソフトウェア内部で笑い検出の際に得られる笑いの量の数値の補正を行うアルゴリズムの導入を行う方法が挙げられる。
次年度では、以上に示した笑いを定量的に捉える手法の洗練と並行しつつ、本研究の計画当初から予定されていた笑いの量と各種健康指標との対応関係の検証に関する研究課題の遂行にあたる。笑いの心身の健康に対する影響・効果は短期的・長期的なものの双方に及ぶことが考えられる。次年度において笑いと健康指標との対応関係を実証的に検証するにあたっては、これら笑いの健康に対する短期的効果と長期的効果という2つの観点を視野に各種実験を行う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 顔・喉・腹の「3点計測システム」による「笑い」の客観的分類法の検討2012

    • Author(s)
      池田資尚 他
    • Journal Title

      笑い学研究

      Volume: 19 Pages: 75-85

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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