2011 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病予防のための健康努力の「見える化」による行動変容支援技術の開発
Project/Area Number |
23300251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久野 譜也 筑波大学, 体育系, 教授 (70242021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 清司 筑波大学, 体育系, 准教授 (30282346)
田邊 解 筑波大学, 体育系, 研究員 (70375484)
北川 博之 筑波大学, システム情報系, 教授 (00204876)
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Keywords | 生活習慣病 / 身体活動 / 行動変容 / 情報通信技術 |
Research Abstract |
我々は、これまでに地域での取り組みにおいて運動が、中高齢者の寝たきりやメタボリックシンドローム予防に効果的であり、これを数年間にわたって継続すると医療費の抑制効果もみられることを示してきた。一方、(1)これらの効果は自分の努力や効果が「見える化」されていると達成しやすい、(2)運動開始したものの、行動変容困難者が1年後で30%前後存在する、(3)これまでの地域での運動実施者の大部分は健康度としては比較的良好以上の対象者であり、健康意識の低い層及び生活習慣病予備軍の参加は少ない実態も明らかとなった。そこで本研究では、長期にわたって運動継続を可能とすると同時に、これまで行動変容が困難であった層でも可能となる運動を生活に取り入れるための行動変容支援技術及び支援システムを開発することを目的として、研究を進めてきた。 本年度においては、生活習慣病予防のための個別対応が可能な行動変容支援技術が集積されたe-wellnessシステム開発を試みた。具体的には、40歳代から70歳代の中高齢者2000人のデータベースを構築した。これらのデータベースには、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病リスク、身体活動量、摂取エネルギーデータなどが含まれている。さらに、本研究では、健康意識の低い層の参加も促すために医学的リスクのみで個人に適したプログラムを提供するのではなく、科学的に個人の健康行動に大きく影響する要因を抽出し、健康行動を促す複数の要因から数理計画(整数計画法)に基づくその人に最も適した組み合わせの最適化プログラムを提供すること、及び個人の状況に合わせた内容とタイミングで「健康情報を見える化」することにより行動変容をうまく達成させ、それを長期にわたって継続できるような全国どこでも支援できる人間行動支援技術を中核としたe-wellnessシステムを開発することを目標としている。そのため、本年度においては、医学的なデータに加えてヘルスリテラシー、ソーシャルキャピタル、本人の生活満足度を達成するためのニーズ、および住・職環境などの社会学的なデータベースも合わせてデータベースを構築したのは、健康意識の低い層の行動変容をうまく達成させるため、生活行動の課題が何であるかその情報を「見える化」することが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の実施計画に基づき、中高齢者2000人を対象にデータベース構築を完了した。さらに、自然科学的(血液、体力、身体活動量、食事摂取量等のデータ)データの収集において初年度の目標である1000人のデータを収集した。また、社会科学的(ヘルスリテラシー、セルフ・エフィカシー、生活及び就労環境、行動変容ステージ)等データの収集においては、初年度目標である1000人を上回る2000人以上のデータベースが蓄積できた。そのため、本年度の達成度については当初の計画以上に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度においては、23年度から引き続き、24年度上半期を目処に2000人の自然科学的(血液、体力、身体活動量、食事摂取量等のデータ)データの収集を終える。 さらに、これまで蓄積してきたデータに基づいてデータセットの作成し、課題IIではデータベースに基づくセグメンテーション別の行動変容プログラムの開発を行う。具体的には、行動変容の阻害要因と促進要因の同定及びそれに基づくセグメンテーション化するために、2000名の自然科学及び社会科学全データを基に、厚生労働省が2006年に策定した「運動指針」に示されている23エクササイズを望ましい身体活動量と位置づけ、そしてこれを目的変数として、これを阻害もしくは達成要因を確定する。さらに、3~5タイプを基準に数理計画法を用いて、心理的要因を含む社会学的要因(ヘルスリテラシー、セルフ・エフィカシー、生活及び就労環境、行動変容ステージ)による対象者のセグメンテーション化の検討を行う。具体的検証内容としては、(1)疾病リスク、ヘルスリテラシー、住・職環境等の行動変容に関与する因子のセグメンテーションとその類型パターンに応じた自然科学的データの基準値策定(2)上記に基づく行動変容プログラムの開発である。
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Research Products
(17 results)