2012 Fiscal Year Annual Research Report
中高齢者の下肢筋プロポーションが生活動作能力に及ぼす影響
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23300255
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村木 里志 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (70300473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 修 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (20357891)
福元 清剛 静岡大学, 工学部, 助教 (60600129)
齋藤 誠二 松江工業高等専門学校, その他部局等, 研究員 (70452795)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 超音波 / 筋量 / 老化 / 歩行 |
Research Abstract |
本研究は下肢筋プロポーションの①加齢変化、②各種生活動作の可否との関係、③移動動作(歩行などのモーション)との関係を明らかにすることである。平成24年度は①の加齢変化と③の一部について研究を進めた。 1)下肢筋プロポーションの加齢変化 超音波横断面積計測システムを用い、下肢筋プロポーション(大腿部および下腿部の筋横断面積)の男性、女性ごとの加齢変化の特徴を検討した。現在のところ、大腿部計測者は若中高齢者男女約800名,下腿部計測者は若中高齢者男女500名である。70歳の筋面積の減少率(20歳との比)は,大腿部の男性が20%,女性が10%,下腿部の男性が12%,女性が8%であり,加齢に伴い筋面積が減少した.また女性は大腿部・下腿部ともに50歳以降の筋面積の低下が著しくなった.さらに大腿部を伸筋群と屈筋群に分けて加齢変化を検討した。70歳の筋面積の減少率(最高値との比)は,伸筋群の男性が28%,女性が29%,屈筋群の男性が16%,女性が1%であり,伸筋群が選択的に萎縮することが示唆された.このため大腿部総筋面積の減少は,膝関節伸筋群の減少によるものであると考えられる.これらの年齢と各筋の面積との関係式は介護予防のための標準値として利用が可能である。 2)下肢筋プロポーションと歩行動作(モーション)との関係 高齢男性を対象とし、平地で歩行を行わせ、下肢筋プロポーションと歩行動作との関係を検討した。歩行動作は赤外線カメラを用いた三次元動作解析システムにより計測し、歩行動作に関わる様々なパラメーターを解析した。特に膝関節屈筋群の筋横断面積がいくつかの歩行パラメーター(歩行速度、歩幅、股関節の動きなど)と相関関係が認めらた。このことより歩行動作における膝関節屈筋群の筋量の重要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度交付申請書に記載した研究計画はほぼ達成している。下肢筋プロポーションの加齢変化の検討は予定通り進んでいる。さらに下肢筋プロポーションと歩行動作との関係の検討は前倒しで進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
応募書類においては、坂道や階段昇降の歩行動作と下肢筋プロポーションとの関係の検討を計画していた。階段昇降動作について予備実験を行ったが危険度(転落の可能性)や負荷が高く、また計測も非常に困難でかつ労力が必要であることがわかった。そのため、予定を変更し、平地歩行の速度(普段の歩行速度に加え、やや早めの歩行速度)を二条件設けて検討していくことを考えている。また、本研究を進めるにあたり、加齢による歩行フォームの変化も参考として検討しておくと、下肢筋プロポーションの加齢変化と歩行フォームの加齢変化の因果関係が理解しやすくなる考えられる。そのため時間的、経費的な余裕があれこれらの研究も加える。
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Research Products
(5 results)