2011 Fiscal Year Annual Research Report
生体膜機能組込み人工喉モデルによるレトロネーザルアロマ発生メカニズムの解明
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23300271
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
小竹 佐知子 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 准教授 (60233540)
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Keywords | 人工喉 / 生体膜 / フレーバーリリース / アロマリリース / レトロネーザルフレーバー |
Research Abstract |
人工喉装置構築のために、実際の人パネリストの咀嚼・嚥下挙動を把握することを目的として、年齢の異なるパネリストを用い、各種食品を試料として、咀嚼特性ならびに嚥下特性(咀嚼力、咀嚼筋運動量、咀嚼頻度、咀嚼時間、唾液分泌量、唾液分泌速度、呼気流量、呼気流速、嚥下頻度)を把握した。同一食品においても、個々の人パネリストのデータ値のバラツキの大きいことが明らかとなり、とくに、香気化合物が生体内で口腔から鼻腔へと呼気により移動するときの、呼気流量と呼気流速が、測定した項目の中で最も測定範囲の変動が大きかった。さらに、人パネリスト実験で用いた食品試料に含まれる香気成分組成を全香気抽出法(Solvent assisted flavorev aporation法)により測定し、次年度に実施する香気放散量モニター化合物の検出(アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、エステル類、ラクトン類など)に取り掛かり、データ整理の段階にまで至った。 また、人工喉装置の核となる生体膜機能部分の構築のために、生体膜(豚咽頭内側粘膜組織)を用い、これに各種食品の香気成分化合物がどのように吸着するかの吸着特性のデータを、23年度に設置完了した香気濃縮装置を用いて収集開始した。測定方法の条件設定(生体膜の表面積量、人工唾液流速、人工唾液流量、暴露香気化合物の暴露方法・暴露量・暴露時間)が絞り込まれた。 人工喉装置の設計、本体素材の検討、コンピューター制御様式については、研究協力者と一緒に作業を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付決定時に交付額の減額変更の可能性があったため、使用予定備品機器の購入を当初予定のもので遂行できるか、あるいは変更する必要があるのかが決まるまでに時間を要した。最終的には、当初予定のものを発注することが可能となり、設置に漕ぎつけた。購入判断までの期間中は、24年度に予定していた実験内容(人パネリストの咀嚼・嚥下特性把握)を先取りして進めることで、研究を遂行していった。
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Strategy for Future Research Activity |
本交付研究テーマで目的としている人工喉の構築を目指して、人工喉の核となる機能部分の生体膜における各種香気化合物の吸着特性データを、23年度に設置完了した香気成分濃縮装置を用いて、さらに収集する。その後、生体膜代替え機能を有する人工膜の検索作業に取り掛かる。 また、実際の人パネリストの咀嚼・嚥下挙動の把握も、23年度に引き続き継続遂行する。咽頭の運動機能が人パネリストによってどのように異なるか、また同一パネリストにおいて、食品の種類によって咀嚼.嚥下時の口腔内器官・咽頭の挙動がどのように異なるか、といったデータを集積する。 上記の2系列のデータを統合することにより、人工喉の具体的な設計に入ってゆく予定としている。
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Research Products
(6 results)