2011 Fiscal Year Annual Research Report
消化管を標的とした代謝制御による生活習慣病リスク低減に関する研究
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23300276
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
合田 敏尚 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (70195923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 和樹 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (80423838)
市川 陽子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (50269495)
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Keywords | 食後高血糖 / 小腸 / バイオマーカー / 遺伝子発現 / 慢性炎症 |
Research Abstract |
自然発症2型糖尿病モデルラット(OLETF)に難消化性デンプン(RS)添加食を5週間投与したところ、空腸上部における小腸消化吸収関連遺伝子の発現が著しく低下するとともに、ヒストンアセチル化酵素であるGCN5の遺伝子発現が有意に低下した。クロマチン免疫沈降法により、RS添加食を投与したラットでは、Na-グルコース輸送体SGLT1遺伝子上へのGCN5の結合が減少し、ピストンH3のアセチル化が低下していることが明らかになった。また、RS添加食を投与したOLETFラットの脂肪組織では、アディポネクチンmRNAの発現が増大する一方、レジスチンmRNAの発現が低下し、炎症ならびにマクロファージの遊走に関与するCD11cやCD18の遺伝子発現が著しく低下することが明らかになった。OLETFラットにαグルコシダーゼ阻害剤ミグリトール添加食を投与して血糖上昇を抑制すると、末梢血白血球において、炎症関連遺伝子であるTNFαおよびIL-6のmRNA発現量の増大が抑制されることが示された。一方、U937ヒト単球様細胞を高グルコースかつTNFαの存在下で培養することによって、炎症関連遺伝子TNFαとIL-1βの発現が著しく増大した。このとき、TNFαの遺伝子の転写領域では、ヒストンH3のアセチル化ならびにピストンH3K4およびH3K36のトリメチル化が亢進するとともに、転写伸長反応を促進するBrd4の結合が増大し、転写が促進されることが明らかになった。健診受診者男性における食べる速さと関連する身体計測値や血液生化学検査を検討したところ、食べる速さと血漿IL-1β濃度との間には、きわめて強い正の関連性があることが明らかになった。また、食べる速さは、インスリン抵抗性候補マーカー(ALT)の血漿濃度と関連することも明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた動物実験、細胞実験ならびに疫学研究が、平行してほぼ順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画を変更する必要は見当たらないので、所期の計画通りに研究を進めたい。
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Research Products
(11 results)