2011 Fiscal Year Annual Research Report
体内時計を考慮した健康志向の食餌と運動処方のマウスモデル開発
Project/Area Number |
23300278
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柴田 重信 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10162629)
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Keywords | 体内時計 / 肥満 / 肝臓 / イメージング / 時計遺伝子 / 食事パターン |
Research Abstract |
規則正しい食餌のリズムが体内時計をリセットし、ある位相に同調させる(例えは夜食だけ与えていると、夜に時計遺伝子発現がピークとなる位相に同調する)。将来の人の研究を想定して、マウスに3食を与えるとしても、規則正しい朝昼夕の3食を与えたとき、あるいは、夕夜朝の3食を与えたときでは、リセットの位相が真反対になる可能性がある。一方で、どちらの条件も、昼食と夕食は食べているので自由摂食のマウスに近い位相で同調しているという結果も予想される。あるいは昼食や夜食の量が問題で、この時間帯の食餌量を増やせば、位相が真反対になる可能性が考えられる。そこで、食餌の同調作用については、以下の実験を行った。 本研究は、インビボイメージングを用いて行った。まず、インビボイメージングによる肝臓、腎臓、唾液腺での体内時計遺伝子発現変化を調べた。Per2::luciferaseのノックインマウスを用いて、4時間おきに、1日6回の計測を行い、リズムの位相、振幅を測定した。まず、本研究方法の妥当性について調べた。すなわち、麻酔薬による体温の低下、ルシフェリンの血液体内動態などを調べた。その結果、肝臓、腎臓、唾液腺のPer2時計遺伝子の働きによる生物発光リズムの振動現象は、このような要因では影響を受けず、ルシフェリンの生物発光リズムは体内時計の遺伝子発現を表現していることが分かった。本研究方法は論文に発表した。本方法を用いて、まずは1日4食、5食、6食の分食の、位相に及ぼす影響を調べた。その結果、食事間隔を一定にし、一定量の餌を分食して与えた場合、臓器すべての体内時計の位柏は影響を受けなかった。すなわち、このような食パターンは体内時計を動かせないことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に、基礎的研究が終わり、体内時計の変化をインビボイメージングで調べる方法が確立できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、1日3食にし、かつ給餌時間を暗期に集中させるあるいは、明期に与えるなどおこない、実際の人の食パターンに類似した実験系を立ち上げる。さらに、体内時計が乱れる食パターンが見られた場合には、それを少しでも改善する食パターンを提案する。さらにこのような食パターンの見られが、エネルギー代謝や肥満に及ぼす影響についても調べる.時間運動学に閣しては、トレッドミル運動を与える時間を変化させ、どの運動時刻が、筋肉へのグルコースの取り込みが盛んになるか、あるいは、筋で使われる脂肪酸のβ酸化が盛んになるか、糖の酸化が盛んになるかを調べる。
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