2011 Fiscal Year Annual Research Report
食品成分機能性・安全性評価用in vivoスクリーニング法の開発
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23300279
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
冨永 伸明 有明工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (30227631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有薗 幸司 熊本県立大学, 環境共生, 教授 (70128148)
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Keywords | 食品 / 生理活性 / マイクロアレイ / 生体分子 / 解析・評価 |
Research Abstract |
今年度は,本研究課題の基盤となる条件設定を中心に行った.線虫培養の合成培地による培養において成長の個体差が大きいためグルコース濃度および微量金属の影響を調査した.グルコースは基本培地としたGrace昆虫細胞培地に含有する700mg/lおよび2倍濃度を試したところ,線虫の成長に大きな違いは見られなかった.微量金属では,Cuを培地から除くと線虫の成長に遅れが見られ,成虫まで成長する個体数が減少した.一方,6mg/lで成虫まで成長する個体が増えたが,12mg/lに濃度を上昇させると成長に遅れが見られ10日前後でコントロールに比べ有意だったことから,Cuは成長に必須微量元素ではあるが,必要量の濃度域は狭いことが分かった.Znについても調査を行ったが,Znは成長に影響を及ぼす濃度はCuに比べ高濃度であり,未影響濃度域は比較的広かった.インスリン様の機能性が期待される金属であるバナジウムに影響についてバナデートを用いて検討したが,低濃度のバナデート添加で線虫の成長は影響されなかったが,高濃度では毒性影響が現われ,成長阻害が起こった. DNAマイクロアレイによる遺伝子発現解析は,6000遺伝子のプローブ設計を行い,マイクロアレイによる遺伝子発現解析に必要なRNAが抽出可能な線虫の量は2から3万匹であることが分かったことから,機能性等の評価を行うために10ml程度の培養で1試料が調製できると考えられた.実際に解析を試みるため,現在,Cuの濃度影響とバナジウムの暴露影響について検討を始めており,72時間暴露でのDNAマイクロアレイのデータ取得が終了した段階であり,次年度には解析を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培地成分の見直しおよび基本的な実験条件の設定等は計画通りに進展している.しかしながら,基礎的な条件設定が主であったため,研究成果の公表が積極的にできていない.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,研究の計画通りに進めることに配慮するとともに,実際の機能性評価や安全性評価を視野に効率的な評価法の構築を試みる,また,研究成果の公表を積極的に進めていく.
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