2011 Fiscal Year Annual Research Report
二光子レーザー顕微鏡による生命現象の動画を用いた生命科学実感教材の開発
Project/Area Number |
23300284
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
溝口 明 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90181916)
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Keywords | 二光子レーザー顕微鏡 / 生体内細胞観察 / 病気の可視化 / 治療効果の可視化 / 生命科学実感教材の開発 / 癌の診断 / 癌の治療 / 神経疾患の診断 |
Research Abstract |
1.正常な生体における動的な生命現象に関する動画の教材化。 これまで、全身の多くの種類の細胞にGFPを発現した遺伝子改変動物であるトランスジェニックマウス(グリーンマウス)を用いて、胃腸、腎臓、肝臓、脳、血管などの生きた細胞像を画像化してきた。しかし、グリーンマウスにおいても、各組織で、GFPを発現している細胞の割合は場所によってまちまちで、大体、約30%程度であった。そこで、将来、ヒトや哺乳動物の正常組織や病的な組織を診断し、医学、歯学、農学、薬理学、病理学の有用な教材を作成するために、遺伝子改変していない動物に、低分子量の蛍光染料を投与することで、組織細胞の蛍光画像を取得する方法を開発した。(特許申請、論文発表準備中) 2.組織や細胞の中の情報伝達分子濃度の動的変化 情報伝達分子としては、神経活動に伴う細胞内カルシウムの濃度変化を、脳海馬の顆粒細胞で検討した。顆粒細胞の細胞内に、ガラス電極をパッチし、細胞内にカルシウム指示薬を注入後、電気刺激し、活動電位を誘発すると、それに呼応して、神経終末の前シナプス部で、細胞内カルシウムの濃度上昇が認められた。(論文発表準備中) 3.病的な状態における障害された細胞組織像の動画教材化 グリーンマウスの体内において、赤い蛍光を発するRFPを発現した大腸癌細胞が、肝臓へ転移する画像や、肝臓へ転移した大腸癌細胞に、抗癌剤を投与して、癌細胞が死滅してゆく様子および抗癌剤治療に抵抗する癌細胞が生き延びる様子を観察することができた。(論文発表番号1~4) これらの画像については、近日中にホームページを作成し、教育用に公開する計画である。 この教材の一部については、滋賀医科大学から、講義への利用依頼があり、本年度より学生講義に使用されている。今後は、ホームページを充実させ、本教材の一般国民への認知、義務教育から高等教育への利用を加速させてゆく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
論文5編を完成し、さらに特許3件の申請を予定している。教材として、他大学で本画像データによる教育への利用も開始している。それらの理由により、本研究は着実に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては、インターネットでホームページに公開し、無料で教育に利用していただけるように展開する。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] In vivo time-course imaging of tumor angiogenesis in colorectal liver metastases in the same living mice using two-photon laser scanning microscopy2012
Author(s)
Tanaka K, Morimoto Y, Toiyama Y, Matsushita K, Kawamura M, Koike Y, Okugawa Y, Inoue Y, Uchida K, Araki T, Mizoguchi A, Kusunoki M
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Journal Title
J Oncol
Volume: 2012
Pages: 265487
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Behavioral alterations associated with targeted disruption of exons 2 and 3 of the Disc1 gene in the mouse2011
Author(s)
Kuroda K, Yamada S, Tanaka M, Iizuka M, Yano H, Mori D, Tsuboi D, Nishioka T, Namba T, Iizuka Y, Kubota S, Nagai T, Ibi D, Wang R, Enomoto A, Isotani-Sakakibara M, Asai N, Kimura K, Kiyonari H, Abe T, Mizoguchi A, Sokabe M, Takahashi M, Yamada K, Kaibuchi K
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Journal Title
Hum Mol Genet
Volume: 20(23)
Pages: 4666-4683
DOI
Peer Reviewed
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