2011 Fiscal Year Annual Research Report
生涯にわたる専門職としての教師の成長に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
23300287
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
磯崎 哲夫 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (90243534)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 武広 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (50116646)
中條 和光 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (90197632)
三好 美織 広島大学, 大学院・教育学研究科, 講師 (80423482)
平野 俊英 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70325033)
佐藤 崇之 弘前大学, 教育学部, 准教授 (40403597)
|
Keywords | 教員養成教育 / 理科教師 / 教育実習生 / 教師知識 / 授業研究 |
Research Abstract |
本年度は、わが国における教師教育の教職基準(スタンダード)の構成原理を明らかにする目的で、以下の研究を行った。 【比較教育学的研究】 欧米諸国(イギリス、フィンランド、フランス、アメリカ)の教員養成教育について、調査分析を行った。その結果、調査した欧州3カ国では教員養成教育の大学院修士課程化が達成されていること、英・仏では教職のスタンダードが整備されていること、フィンランドでは教員養成教育における附属学校の役割がより重視されてきていること、アメリカでは質保証の一環としてe-learningの導入が進められていること、などが明らかとなった。 【歴史的研究】 わが国の師範学校や教育学部附属小学校における教師の力量形成に関する取り組みについて調査分析を行った。附属小学校における教育実習生の指導方略は早いところでは明治期からすでに定型化されていたこと、附属小学校教師を含めた地域の小学校教師の力量形成の場としての授業研究は、大正期より行われており、指導案、実地授業、批評会、出版など、定型化されていたこと、などが明らかとなった。 【実態調査】 生涯にわたる専門職としての教師の成長における教員養成教育の位置づけ及びその役割、教員養成教育における教育実習の位置づけや指導のあり方を検討するために、まず、教育実習を通した教育実習生の意識の変容、教員志望の大学生の科学的リテラシーについて、研究分担者所属機関において質問紙調査を行った。また、小学校と中学校の現職教師に対して、教師としての自信に関する質問紙調査、中学校理科教師(教職経験年数の違う層を抽出)に対する授業を想定した教材化の知識に関する画接調査及びモニタリング調査を行った。調査結果は現在分析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、3つのアプローチから構成されており、概ねそれぞれの当初の計画に関して調査分析が順調に行われている。歴史的研究では、一部戦前の資料の収集が可能でない部分もあったが、調査を継続中である。実態調査に関しては、教員養成教育と現職教育に分けて、多角的な視座と多様な方法を用いて当初の予定以上に計画が進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、特に実態調査に関して、現在データを分析中であるため、早々に分析をして結果をまとめる。また、比較教育学的研究では、欧米諸国の動向ばかりではなく計画にあるようにアジア諸国における理科の教師教育に関する調査についてカウンターパートと調整し、実施する。歴史的研究に関しては、平成23年度は第二次世界大戦以前の初等教育を中心としていたために、平成24年度以降は、第二次世界大戦以降の初等教育及び戦前戦後の中等教育を対象として資料収集と分析を行い、理科教師の学びの文化を明らかにする。
|
Research Products
(6 results)