2012 Fiscal Year Annual Research Report
生涯にわたる専門職としての教師の成長に関する理論的・実証的研究
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23300287
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
磯崎 哲夫 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90243534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 崇之 弘前大学, 教育学部, 准教授 (40403597)
林 武広 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (50116646)
磯崎 尚子 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (70263655)
平野 俊英 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70325033)
三好 美織 広島大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (80423482)
中條 和光 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90197632)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 科学教育 / 教師教育 |
Research Abstract |
本年度は、理論的研究として、中華人民共和国、台湾における中等教員養成教育の特色について現地調査を行い、その特徴について分析を行った。その結果、教員養成教育は欧州では学部・修士課程の連続的プログラムとして主として行われているのに対して、アジア諸国では学部段階で主として行われていること、教職教養的教育と教科専門的教育から教員養成教育プログラムは構成されていること、教育実習は日本の標準時間数よりもどの国も多いこと、などが明らかとなった。また、研究分担者が大学附属学校における授業研究の歴史的資料を収集し、研究テーマや授業研究の方法などを視点に分析を行っている。 実証的研究として、中学校の初任の理科教師と熟練の理科教師に対して彼らが保持し授業で使用する教師知識に関する実態調査を実施した。また、別の中学校理科教師に対し教師知識の発達に関する半構造的面接調査を行った。その結果、熟練の教師は複合的なPCK(教材化のための知識)を有していること、それは初任の教師よりも質的にも量的にも発達していること、理科教師は教師コミュニティーにおける教師自身の反省的な学びを通して教師知識を発達させていること、などが明らかとなった。次に、小学校教師の教師知識に関して、小学校教師(200名以上)に科学技術リテラシークラスタと理科指導に関する質問調査を行った。その結果現在までの分析で、各クラスタと理科授業への自信の有無及び得意・不得意との関連で科学因子が高いクラスタで有意に肯定的であることが明らかとなった。この他に、平成23年度に引き続き、教育実習生に対する教職についての意識調査を行った。特に本年度は、実習生の教職への意欲及び実践的資・質能の意識変容と具体的な学習指導内容との関連に焦点当てた。その結果、現在までの分析で、授業スキルなどいくつかの項目で肯定的な意識変容が見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、比較教育学的研究においてアジア諸国の教員養成システム及び現職教育システムの資料収集と調査を計画し、研究代表者及び研究分担者が中国、台湾、韓国へ赴き教員養成教育と現職教育に関する資料収集をした。中国(上海)に関しては、平成25年度に教員養成教育と現職教育における中等理科教師の教師知識に関する課題研究を行うことで合意した。 歴史的研究では、研究代表者及び研究分担者が所属する機関の附属学校における公開研究会(授業研究)の歴史的資料を収集し、現在分析中である。 実態調査に関して、特に中学校理科教師の保持する教師知識の特色とその発達に関して質的調査を実施した。また、小学校教師の保持する科学技術リテラシークラスタと理科の指導に関する量的調査を実施した。加えて、教育実習生に対して、教職への意欲と学習指導等との関連に関する意識調査を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、諸外国の研究協力者とさらに連携しながら、また会議やメールなどで進捗状況を確認し情報を共有しながら、これまでの研究(理論的研究及び実態調査)に関して校種を変えて実施する。経年的に調査している教育実習生の意識変容などは今後も継続的に実施する。また、歴史的研究から得られる知見を整理する。 現在、多くのデータや知見が得られているため、それらを整理して研究の知見として公表する。
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Research Products
(9 results)