| Research Abstract |
本年度は,我々が開発した教員養成教育における4年間を一貫した環境教育プログラム『土佐環境教育スタンダード』における具体的カリキュラムについて,その構成・内容についての詳細な検討を行うとともに,それに基づく実践を試行的に実施し,教育効果について考察を行った.
検討・実施したカリキュラムは,3年次プログラム「教材開発力養成」及び4年次プログラム「授業実践」を視野に入れたものである.カリキュラムは,フィールドとする地域に生息する生物及び森林資源をテーマに,対象フィールドでの自然体験活動を基盤とし,大学における講義・実習を通した専門的知識・技術(環境教育実践力)の習得,それに基づく対象フィールドの自然環境に対応した教材の開発・授業設計(環境教育教材開発),中学校理科担当教員とのコラボレーションによる授業(授業実践)という流れで展開した.また,実施にあたっては,本県長岡郡大豊町立大豊町中学校周辺の川,山林をフィールドとし,地域人材,教育員会及び地域の学校の協力を得て実施体制を組織した.研究推進の結果,検討・実施したカリキュラムは,対象とする地域の自然環境を効果的に教材化できるとともに,地域人材との共同実施体制を円滑に構築し,実践可能であることが明らかになった.また,授業実践の結果から,地域資源の効果的な活用,自然環境,生活体験をベースとした本環境教育プログラムが,学生の環境教育実践力及び教材開発能力の向上,すなわち,地域の環境教育をリードする教員としての素養の習得に有効であることが示唆された.さらに,本カリキュラムを通して実施された中学校における環境教育の実践結果から,学校における環境教育の深化・充実の観点からも一定の成果を得ることができ,本プログラムの地域貢献に果たす役割を提示することができた.
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発したプログラムに基づく試行的実践を通して,その有効性を示唆する結果を得るとともに,来年度から本格的に実施する見通しが立った。しかし,実践例が1例のみに限られた点と,実践効果の客観的な評価に課題が残されたため,達成度を(2)とした。
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| Strategy for Future Research Activity |
1年生から,プログラムを順次本格的に実施するとともに,試行的実践を継続し,その評価・分析を通してカリキュラムの工夫・改善を図っていく。具体的には,授業内容の詳細な検討,地域パートナーおよび実習校との詳細な打合せ,学生による授業評価等のシステム構築を行う。同時にその評価・分析を,自然観察力,教材開発力,環境教育実践力の視点から実施する。さらに,地域の連携組織,担当教員および履修学生から授業評価アンケート等を行い,改善を図る。
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