2012 Fiscal Year Annual Research Report
計量言語学的手法を用いたコーパスからの漢字特徴量抽出と新常用漢字の教育実践的研究
Project/Area Number |
23300300
|
Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
野崎 浩成 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (80275148)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中津 楢男 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90133131)
江島 徹郎 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10335078)
梅田 恭子 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70345940)
齋藤 ひとみ 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (00378233)
多鹿 秀継 神戸親和女子大学, その他の研究科, 教授 (30109368)
横山 詔一 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60182713)
田中 佳子 日本工業大学, 工学部, 准教授 (10406423)
吉根 勝美 南山大学, 経済学部, 准教授 (50230785)
磯本 征雄 名古屋女子大学, 家政学部, 研究員 (10029994)
|
Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
|
Keywords | 漢字教育 / コーパス / データマイニング / 教育工学 / 常用漢字 |
Research Abstract |
常用漢字表の改定により,中学校・高校で習得すべき漢字数が大幅に増加することとなった。そこで,本研究では,常用漢字表から削除された漢字や新たに追加された漢字の使用状況やその特徴を分析した。この分析結果を教育場面に利用することで,小中学校や高等学校における漢字の教育や教材開発に役立つ有用な資料を得ることができる。 本研究で分析の対象とするコーパスには,KOTONOHA『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ: Balanced Corpus of Contemporary Written Japanese)を用いた。また,その比較対照データとして,検索サイトGoogleを用いた。この2について,前者をBCCJW,後者をWebサイトと呼ぶことにする。調査対象となる漢字をそれぞれ単漢字として検索キーワードに入力し,その検索結果を分析した。 分析によって得られた主な結果は次の通りである。すなわち,常用漢字表から削除されたすべての漢字(勺,匁,脹,錘,銑の5字)について分析したところ,Webサイト,BCCWJともに,その検索件数のバラツキがとても大きく,6倍以上もの大きな差異があることが示された。すなわち,削除された漢字であっても,一律にすべてが著しく低頻度であるとはいえない可能性が高い。また,常用漢字表に新たに追加された漢字と削除された漢字を比較した所,Webサイトの検索結果(件数)は,必ずしも「削除された漢字」よりも「追加された漢字」の方が大きい,ということにはならないことが示された。すなわち,常用漢字表に新たに追加された漢字であっても検索結果(件数)が十分に大きいとはいえない漢字が存在することが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Webサイトを対象とした分析のみならず,信頼性の高い大規模日本語コーパスとして『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)を用いた分析を,当初の予定通り,実施することができたことが,「(2)おおむね順調に進展している」理由です。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度までの研究で得られた知見を,教育場面で有効に活用することを目指すのが今後の研究の推進方策となります。具体的には,手書き文字入力システム(デジタル・ペン)や携帯型端末などのデジタルデバイスを活用した漢字教育への応用を進める,熟語を対象とした漢字練習辞書を開発し,それらを活用した新たな学習方略を考案する,などである。このように,今後の研究では,これまでの研究成果を教育に応用し,その教育的評価を行うことに取り組んでいきます。
|
Research Products
(9 results)