2011 Fiscal Year Annual Research Report
多様な学習形態に適合する拡張可能な学習支援システム構成法
Project/Area Number |
23300307
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
仲林 清 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (20462765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 容介 放送大学, ICT生活用遠隔教育センター, 准教授 (00435702)
池田 満 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (80212786)
青木 久美子 放送大学, ICT生活用遠隔教育センター, 教授 (90392290)
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Keywords | 教育工学 / 学習支援システム / システムアーキテクチャ / 技術標準化 / 教材オブジェクト |
Research Abstract |
本研究は,eラーニングにおける自己学習やグループ学習などの多様な学習形態を統合的に支援し,機能追加に柔軟に適応可能な機能拡張性と,コンテンツや学習方略記述を含むシステムの相互運用性を両立可能な学習支援システム構成法を確立することを目的とする.従来,学習者適応型学習支援システムや協調学習支援システムが数多く研究されてきたが,これらは機能拡張の枠組みを定めておらず,予め設計された学習方略以上の教育効果を求めて機能追加を行うと,既存コンテンツが動かなくなるなど相互運用性に関わる問題が発生する.本研究は,このような問題点を解決するため,学習支援機能の機能拡張性とコンテンツや学習方略記述の流通再利用性・相互運用性が両立可能な学習支援システムの構成法を確立するものである. 平成23年度は,「研究項目1:教材オブジェクトによる学習支援システムの設計と実装」を中心に,Learning Design規格の動作を,教材オブジェクトを用いて実現するための基本検討とプロトタイプ開発を行った.このプロトタイプでは,個々の利用者に対して,学習アクティビティの階層構造を生成し,各学習アクティビティには制御ルールを実行する教材オブジェクトを割り当てている.教材オブジェクトは個々の学習者や他の学習者の学習状況を参照して学習の流れを制御する.このような構成を採ることにより,新たに教材オブジェクトを開発することで,Learning Design規格で扱えなかった学習制御が可能となる.実際の協調学習シナリオを想定して教材オブジェクトを開発し,教材オブジェクトに持たせる機能,教材オブジェクト相互の連携の仕組みを検討した.この結果,「教材オブジェクト相互の連携」については,先に提案者らが研究を進めた自己学習支援機能の場合とほぼ同様の仕組みで十分であるという知見が得られ,「研究項目2:自己学習支援機能とグループ学習支援機能の統合」についても,見通しを得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に示したように,予定通りプロトタイプ開発を行い,初年度の目標としていた「教材オブジェクト相互の連携の仕組みの明確化」を実施できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでの成果を踏まえて,研究計画通り,「研究項目1:教材オブジェクトによる学習支援システムの設計と実装」について,教材オブジェクト相互の連携の仕組みをより具体化するとともに,より高度な機能を有するマクロ教材オブジェクトの機能設計と実装を行う.また,「研究項目2:自己学習支援機能とグループ学習支援機能の統合」,「研究項目3:WebサービスやWidgetによる教材オブジェクトの実現」を具体的に着手していく.
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