2011 Fiscal Year Annual Research Report
医療リスク管理政策の国際比較制度分析:アクター理論によるアプローチ
Project/Area Number |
23300315
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣野 喜幸 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (90302819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市野川 容孝 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30277727)
金森 修 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (90192541)
渡邊 日日 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (60345064)
石井 則久 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター, センター長 (50159670)
森 修一 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター感染制御部第7室, 室長 (40559522)
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Keywords | 科学技術社会論 / 医療政策 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトは、肝炎、ワクチンなどの裁判紛争等の深刻な社会問題となり、現在も原因究明や被害救済が重要課題となっている「医療リスク管理政策」を対象とし、国際比較の手法に基づいて、その成功と失敗のメカニズムの解明を目指すものである。初年度の2011年度は、医療リスク管理政策に関する文献資料を調査した上で、基本文献リストを作成し、研究成果の一部を論文や学会発表の形で発表した。また次年度以降の本研究プロジェクトの本格的な展開のための準備として、研究会を四回開催した。 まず2011年6月18日に第一回会合を開き、今年度の研究計画を話し合った。第二回の研究会は「ハンセン病政策」をテーマとして7月30日に開催し、研究分担者の森が発表を行なった。ハンセン病政策に対する法律家の役割や医療政策における国際会議の重要度などについて討議した。続く10月22日には「スモン政策」をテーマに研究分担者の金森が講演を担当した。日本における各薬害事例に触れつつ、スモン政策の展開の詳細について理解を深めた。また医療政策と予防原則の関係についても議論がなされた。さらに2012年3月17日には「ワクチン政策」をテーマとし、研究分担者の石井、森を中心とする勉強会を行なった。ワクチン政策の理解に必要な微生物学や免疫学の基礎を踏まえつつ、とくに日本とアメリカの政策を比較検討しながら、日本のワクチン政策の問題点について話し合った。 また当研究プロジェクトのウェブサイトの開設し、活動内容の公開および社会的発信に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクトが対象としている各医療政策の一次文献・二次文献を順調に収集し、基本文献リストの作成や国内のオーラルヒストリー調査対象者の選定を行なうことができた。ただし、海外のオーラルヒストリー調査対象者の選定や各政策にかかわる医学文献の入手が遅れており、こうした点は改善する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の研究成果を踏まえ、平成24年度はオーラルヒストリー調査と諸外国の政策の一次文献調査を主体として研究を実施する。前者のオーラルヒストリー調査については、すでに候補者を数名選定し、必要機材も購入済である。速やかに調査を依頼し、できれば今年度中に五名ないし六名の調査を行ないたい。後者の一次文献の収集については、昨年度すでにWeb上で入手可能なものを特任研究員の田中が調査しており、こうした作業を踏まえ、今年度はさらに調査範囲を拡張して資料を収集し、海外での直接入手についても可能なかぎり努めたい。
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Research Products
(5 results)