2011 Fiscal Year Annual Research Report
フロンによる我が国山地流域の地下水滞留時間・貯留量の推定とマッピング
Project/Area Number |
23300335
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
辻村 真貴 筑波大学, 生命環境系, 教授 (10273301)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 勉 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (80304369)
|
Keywords | 水資源 / 湧水 / 年代 |
Research Abstract |
国内各地のフィールド(山梨県、茨城県等)の湧水等において、フロン類分析用のサンプルを収集するとともに、そのデータに基づき、平均滞留時間等の解析を行った。とくに、山梨県の釜無川流域を対象に、堆積岩、花崗岩、変成岩等の異なる地質からなる源流域の湧水について、平均滞留時間の推定を行い、その空間分布を検討するとともに、各湧水の集水域における水貯留量の推定を行い、地質条件との比較検討等を実施した。その結果、釜無川流域において、花崗岩流域で第三紀層に比べ、相対的に滞留時間が長く、水貯留量が大きいという傾向がみられた。 さらに、SF6分析ラインを構築し、フロン類による年代推定が難しい、過去10年程度の直近の年代についても、湧水等の平均滞留時間解析が可能となった。SF6分析ラインは、気象研究所の大気分析用ラインと、アメリカ地質調査所の水分析ラインを参考とし、フィールドにおけるサンプリングの利便性や、分析数の最適化等も考慮して、構築した。現時点において、国内で湧水、地下水等のSF6分析・解析能力を有する機関は、数機関以内程度であり、本研究室の分析システムが、我が国における若い地下水・湧水の年代推定研究を推進させることが期待される。 以上の研究実績により、平均滞留時間が50年程度以下の比較的短い地下水や湧水の年代を精密に解析するシステムが、統一的に構築された。既存のトリチウム等と併用することにより、年代解析精度をより向上させ、世界最先端の陸水年代分析ラボになることも視野に入ってきたと言える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールドデータを収集するとともに、SF6分析ライン構築も行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
収集データの解析、SF6分析ラインの精度向上をはかる。
|
Research Products
(4 results)
-
-
-
[Journal Article] Anthropogenic changes in a confined groundwater flow system in the Bangkok Basin, Thailand, part II : how much water has been renewed?2011
Author(s)
Yamanaka, T., Mikita, M., Lorphensri, O., Shimada, J., Kagabu, M., Ikawa, R., Nakamura, T., Tsujimura, M.
-
Journal Title
Hydrological Processes
Volume: Vol.25
Pages: 2734-2741
DOI
Peer Reviewed
-