2012 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷修復経路における合成致死性を応用した乳癌の化学療法に関する研究
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23300358
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
太田 智彦 聖マリアンナ医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60233136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 成和 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (50505948)
津川 浩一郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (60313657)
中田 慎一郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70548528)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | DNA修復 / 合成致死性 / 癌化学療法 / 乳癌 / 非癌遺伝子依存性 |
Research Abstract |
本研究はDNA修復経路における合成致死性を利用した治療を開発するために、DNA損傷性薬剤に対してそれを補完する因子の機能不全を同定することを目的としている。 平成24年度は平成23年度より行っていた相同組換え修復遺伝子のメチル化解析を、症例を追加して検討した。Epirubicinを含む術前化学療法を施行した原発性乳癌のうち、Luminal乳癌の病理学的完全奏功(pCR)および非奏功例、Triple negative(TN)乳癌のpCRおよび非奏功例、各15症例(計60症例)の癌部分におけるBRCA1, BRCA2, BARD1, MDC1, RNF8, RNF168, UBC13, ABRA1, PALB2, RAD50, RAD51, RAD51C, MRE11, NBS1, CtIP および ATM遺伝子プロモーターのメチル化をBisulfite-pyrosequence法にて解析した。その結果、BRCA1とRNF8のメチル化はTN乳癌に有意に高頻度に認められた。治療効果との関係ではTN乳癌においてBRCA1のメチル化はpCR症例に高頻度に認められる傾向にあった。一方、RNF8とATMのメチル化は非奏功例に有意に高頻度に認められた。 BRCA1のユビキチンリガーゼ(E3)活性が欠損するとCPT11およびPARP阻害剤によるDNA損傷時にChk1のリン酸化が起こらず、DNA相同組換えが阻害される。そのメカニズムとしてBRCA1によるClaspinのユビキチン化によってClaspinがクロマチンに誘導されることが必須であることがわかった。 PLK1高発現癌細胞においてBRCA1のE3活性が抑制されているために、CPT11とPARP阻害剤に対する感受性が亢進しているという平成23年度の知見にもとづき、マウスにおけるin vivoでの実験を行い、これを裏付ける結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
siRNAを用いた化学療法感受性に関与する遺伝子のスクリーニングは行えていないが、これに代わり、次世代シーケンサーを用いた解析が軌道に乗りつつある。これ以外の研究計画については概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
I)TALENを用いたノックアイン法にてBRCA1のユビキチンリガーゼ活性を持たない遺伝子改変ヒト細胞を作成し、ヘテロクロマチンDNAの相同組換え修復および薬剤感受性の解析を行う。 II)ヘテロクロマチン領域におけるDNA修復機構ににおけるBARD1の役割について解析する。 III)臨床検体での解析:乳癌検体における相同組換え修復遺伝子の体細胞変異を、AmpliSeqのパネルを作成し、半導体マイクロチップ次世代シークエンサーにて検出し,この遺伝子変化による細胞の化学療法感受性の変化を解析する。
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