2012 Fiscal Year Annual Research Report
機能性RNA統合解析による日米欧の胃・大腸発癌の分子疫学的解明と臨床応用・癌予防
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23300366
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山本 博幸 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40332910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠村 恭久 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90162619)
能正 勝彦 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10597339)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 機能性RNA / 胃癌 / 大腸癌 / マイクロRNA / 分子疫学 / DNAメチル化 / SNP |
Research Abstract |
日米欧の胃癌、大腸癌におけるDNAメチル化プロファイルつまりDNA methylome(fingerprint)の詳細をGoldenGate Assay等を用いて明らかにした。さらに、新規のメチル化遺伝子候補の中から複数の遺伝子に関して、パイロシーケンスやMSP法等を用いて詳細に解析したところ、胃癌および大腸癌細胞株においてメチル化と発現低下の相関を認め、また、脱メチル化剤処理による再発現を認めた。 microRNA(miRNA)microarrayを用いて明らかにした胃癌および大腸癌の癌組織、隣接非癌組織におけるmiRNA発現プロファイルから、複数のmiRNAに関して、real time PCR法等を用いて解析したところ、さらに詳細なmiRNA発現異常を明らかにした。 メチル化遺伝子およびmiRNA発現異常ともに分子マーカーとして有用性が期待できるものが多数あり、臨床的にも意義の大きな結果を得た。 胃癌および大腸癌の癌組織および癌細胞株において、癌関連遺伝子の3’-UTR以外も含めたnon-coding DNA領域の変異解析を行い、複数の遺伝子変異を明らかにした。変異を認めた遺伝子に関して、変異とmiRNAによる発現調節異常やmRNA安定性との関連などを機能解析により明らかにした。 miRNA関連SNP、CNVに関して、pri-miR、pre-miR、miRNAプロセシングに関わる各遺伝子、さらに標的となる癌関連遺伝子のmiRNA結合配列等のSNPの関連を網羅的に明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日米欧の胃癌、大腸癌におけるDNAメチル化およびmiRNA異常の詳細を明らかにすることができ、今後の解析にも非常に有用なデータである。miRNA発現およびその制御機構の破綻、miRNAにより制御を受ける癌関連遺伝子non-coding DNA領域異常とその分子機構、宿主側としてmiRNAに関わるmiR-SNP、CNVと発癌リスク、癌の個性との関連の解析は、いずれも研究計画通り、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進展した23~24年度に引き続き、25年度も研究計画に基づき、研究を推し進めていく。miRNA異常、miRNAにより制御を受ける癌関連遺伝子異常、宿主側miR-SNPの3本柱の研究項目の連携を強化していく。
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