2012 Fiscal Year Annual Research Report
対流圏オゾンライダーを用いた日本域における対流圏オゾンに関する研究
Project/Area Number |
23310018
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
眞木 貴史 気象庁気象研究所, 環境・応用気象研究部, 主任研究官 (50514973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出牛 真 気象庁気象研究所, 環境・応用気象研究部, 研究官 (00354499)
新井 康平 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10222712)
永井 智広 気象庁気象研究所, 気象衛星・観測システム研究部, 主任研究官 (30343891)
奥村 浩 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50251195)
柴田 清孝 気象庁気象研究所, 環境・応用気象研究部, 室長 (50354494)
森野 勇 独立行政法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, 主任研究員 (90321827)
酒井 哲 気象庁気象研究所, 気象衛星・観測システム研究部, 主任研究官 (00377988)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | リモートセンシング / 対流圏オゾン / 大気質 |
Research Abstract |
佐賀大学ライダーグループ:ライダー観測に使用している光電子増倍管は近距離からの強い散乱信号を受けるとノイズを発生するため、これまでオゾン測定高度は6 kmまでに制限されていた。新たに、小型の受信システムを導入することにより、高度約0.3~10 kmまでのオゾン測定が可能となった。この新システムによりオゾン観測を継続中である。 気象研ライダーグループ:ライダー観測に使用しているレーザーに発生した不具合に対処しつつ、継続して観測を行った。観測は、連続9日間を含む50日間(うち、オゾンゾンデとの同日観測は13回)行い、オゾンゾンデや数値モデルの予測結果との簡単な比較を行った。レーザー装置の不具合については、その原因を究明し、安定した観測が継続できるようにレーザーの改修を行った。また、観測データやモデル計算結果を閲覧・データ取得ができるWebサイトを構築し、関係者に公開した。 モデルグループ:全球化学気候モデル(MRI-CCM2)を毎日自動実行して関係者に自動的に計算結果を配信するシステムを構築して現在運用中である。気象庁非静力学モデルNHMと結合した大気化学モデルNHM-Chemを開発し,全球モデルからの1wayネスティングシステム(MRI-PM/c)を構築した。東アジア領域における地上オゾン濃度の再現と解析結果をGeosci. Model. Dev.誌等で発表し,オゾンライダー,航空機観測との結果を比較してマルチスケールモデリング(全球300km―領域20km)解析を実施した。 また、温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)の温室効果ガス観測センサの熱赤外(TIR)バンドからの対流圏オゾンカラム量について、月ごとの全球分布を導出し、緯度の違いによる変動や季節変動を観測することができた。オゾンゾンデ観測とMRI-CCM2を比較したところ、両者は良い一致を示した(大山、川上)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
観測面ではつくばと佐賀の2地点で対流圏オゾン鉛直分布を開始することができた。つくばに関してはライダーの不具合を改修することにより、観測データを安定的に取得できる目処が立った。佐賀に関しては、数日毎の観測をほぼ1年間行うことができ、季節変化などを捉えることができつつある。また、ライダーを改修することにより、従来(地上から6km)以上に高い高度(地上から10km)の観測が可能となった。全球化学輸送モデルに関しては、観測のタイミングを決定する際の資料として毎日のモデル計算結果を関係者に自動配信する仕組みを構築した。また、オフライン版領域化学輸送モデルに関しては全球化学輸送モデルからのネスティングができる環境を整え、空間代表性が小さなライダー観測と比較できるようにした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画はおおむね順調に進展しているので、当初予定の計画に沿って研究を推進する。ライダー観測に関しては、引き続きつくばと佐賀における対流圏オゾン観測を実施する。全球化学輸送モデル、領域化学輸送モデルに関してはモデルによる日々の計算結果をライダー観測グループに提供し、高濃度オゾンイベント等が予測された際に機動的に観測を実施できるようにする。オゾンライダーの観測結果に加え、衛星観測データ(GOSAT)等の観測結果も統合的に利用して高濃度オゾンイベントの解析を目指す。
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article] Journal of Atmospheric Chemistry and Physics2012
Author(s)
O.Uchino, T.Sakai, T.Nagai, I.Morino, K.Arai, H.Okumura, S.Takubo, T.Kawasaki, Y.mano, T.Matsunaga, T.Yokota
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Journal Title
On recent stratospheric aerosols observed by Lidar over Japan
Volume: 12
Pages: 11975-11984
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Development of an aerosol chemical transport model RAQM2 and prediction of Northeast Asian aerosol mass, size, chemistry, and the mixing type.2012
Author(s)
Kajino, M., Inomata, Y., Sato, K., Ueda, H., Han, Z., An, J., Katata, G., Deushi, M., Maki, T., Oshima, N., Kurokawa, J., Ohara, T., Takami, A., and Hatakeyama, S.
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Journal Title
Atmos. Chem. Phys.
Volume: 12
Pages: 11833-11856
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Improvement of Web-base Data Acquisition and Management System for GOSAT Validation Lidar Data Analysis2013
Author(s)
Hiroshi Okumura, Shoichiro Takubo, Takeru Kawasaki, Indra Nugraha Abdullah, Osamu Uchino, Isamu Morino, Tatsuya Yokota, Tomohiro Nagai, Tetsu Sakai, Takashi Maki, Kohei Arai
Organizer
IS&T/SPIE Electronic Imaging 2013
Place of Presentation
Hyatt Regency San Francisco Airport (米国、カリフォルニア州バーリンゲーム市)
Year and Date
20130206-20130206
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[Presentation] The Outline of Air Quality Operational and Research Activities in the Japan Meteorological Agency2012
Author(s)
T. Maki, M. Kajino, N. Oshima, M. Deushi, T. Y. Tanaka, T. T. Sekiyama, K. Shibata, M. Ikegami, A. Ogi, K. Mine, H. Fujiwara, T. Sakurai, N. Ohkawara, K. Yamada and M. Mikami
Organizer
4th International Workshop on Air Quality Forecasting Research
Place of Presentation
WMO事務局(スイス、ジュネーブ)
Year and Date
20121214-20121216
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[Presentation] Observation of aerosol parameters at Saga using GOSAT product validation lidar2012
Author(s)
S. Takubo, H. Okumura, T. Kawasaki, I. N. Abdullah, O. Uchino, I. Morino, T. Yokota, T. Nagai, T. Sakai, T Maki, K. Arai
Organizer
第8回アジア-パシフィックリモートセンシング会議
Place of Presentation
京都国際会議場(京都府)
Year and Date
20121029-20121101
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[Presentation] Web-base Data Acquisition and Management System for GOSAT Validation Lidar Data Analysis2012
Author(s)
Hiroshi Okumura, Shoichiro Takubo, Takeru Kawasaki, Indra Nugraha Abdullah, Osamu Uchino, Isamu Morino, Tatsuya Yokota, Tomohiro Nagai, Tetsu Sakai, Takashi Maki, Kohei Arai
Organizer
SPIE Remote Sensing
Place of Presentation
英国、スコットランド、エジンバラ市
Year and Date
20120927-20120927
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