2011 Fiscal Year Annual Research Report
高リスク大気中六価クロムの極微量分析技術の高度化・評価活用と発生源・発生機構解明
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23310021
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小林 剛 横浜国立大学, 環境情報研究院, 准教授 (60293172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 祐一 静岡県立大学, 環境科学研究所, 助教 (40425731)
久保 隆 長崎大学, 産学官連携戦略本部, 助教 (40397089)
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Keywords | 六価クロム / 大気汚染 / リスク評価 / 有害大気汚染物質 / 微量分析技術 / 発生源調査 / SPM / 大気中挙動 |
Research Abstract |
平成23年度は、以下のように「一般大気環境濃度レベル・広域分布と環境中動態の把握と分析技術の高度化研究」を行った。 1.国内3地域(関東(神奈川)、東海(静岡)、九州(長崎))において一般環境濃度レベルの測定を行った。サンプラーを各地域に設置し、捕集した試料は横浜国立大学に集約して微量な六価クロムの分析を行った。測定された濃度では、横浜では0-1ng/m^3程度と長崎や静岡よりやや濃度が高かった。 2.大気捕集-前処理-定量の各操作の最適化・高感度化の検討を行った。初年度は特に使用器具や分析操作を見直し、感度の向上を検討することで、全粒径の捕集では1週間、粒径別の捕集では3週間の捕集期間で、定量できるようにした。各操作において、以下のことを検討した。 (1)大気捕集:必要十分な大気捕集量の検討、捕集期間中の還元反応の抑制効果の確認を行った。 (2)前処理:抽出・濃縮・精製操作、分析条件の効率化・高感度化、ブランク低減を検討した。 (3)定量:「IC-ICP/MS法」では1週間という短期間捕集が可能であり、粒径別の分析も可能となるよう、各分析条件の最適化、高感度化を検討し定量条件を提案できた。「IC-DPC法」では、一般大気の濃度レベルを定量することは困難であることが確認された。 以上より、全粒径では0.05ng/m^3(1週間捕集)、粒径別では0-01ng/m^3(3週間捕集)まで定量が可能となったが、捕集期間を更に短縮するためには更なる高感度化が必要と考えられた。 また、主要発生源の探索や大気中酸化還元挙動の把握、地域別・季節別・粒径別六価クロム濃度の測定・予測結果に基づく人への吸入リスク詳細評価を行うための体制整備および予備的な調査を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定どおりに分析方法についての確認・検討を進めることができ、国内3地域にて六価クロムの分析が進行できているとともに、平成24年度からの研究のための下準備も行えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度も、前年度に引き続き各機関で連携して、「一般大気環境濃度レベル・広域分布と環境中動態の把握と分析技術の高度化研究」「主要発生源の探索と国内排出源による環境負荷の推計、大気中酸化還元挙動の把握」「地域別・季節別・粒径別六価クロム濃度の整理と人への吸入リスク詳細評価研究」のための研究を推進する。特に、分析方法の感度の向上とともに、実測値および予測計算モデルを活用して効率的に調査やリスク評価を試みる。
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Research Products
(2 results)