2013 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴送電による無線電力供給から発生する電磁環境の安全性評価
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23310022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮越 順二 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (70121572)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 電磁波影響評価 / エネルギー伝送 / 共鳴送電 |
Research Abstract |
平成24年度に構築した共鳴送電細胞曝露装置では、動作共鳴周波数12.6MHz、伝送効率72.4%を主ピークとし、13.9MHz、伝送効率50.9%の副ピークを伴うブロードな伝送特性を示していた。このため、平成25年度はこの共鳴送電伝送効率の改善から取り組み、その結果、これまでの細胞曝露装置と同様に、細胞培養に必要となる温度37℃、湿度100%、二酸化炭素濃度5%等の条件を満足するとともに、動作共鳴周波数12.5MHzにおいて伝送効率85.4%の単一ピークを示す伝送特性に改善することができた。 この動作共振周波数における共鳴送電時の細胞曝露磁界強度は、電磁界シミュレータHFSS Ver 13.0.2(Ansoft, USA)により、最大送電時に約170A/mと推定された。この磁界強度は国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が2010年に公表したガイドライン中で述べられている指針値80A/mのおよそ2倍に相当する。また、電界強度は約160V/m、比吸収率(SAR)は約24W/kgであった。 我々は、この細胞曝露装置の細胞培養環境の安定性を確立させるため、細胞増殖および細胞周期分布といった細胞基本動態の評価に取り組み、曝露装置内部の細胞培養環境が適切であることを確認した。さらに、動作共鳴周波数12.5MHz、入力高周波電力200Wにおいて、実際の共鳴送電下における細胞基本動態への影響評価に取り組んだ。その結果、共鳴送電下において細胞基本動態に有意な影響は見られなかった。その後、細胞の遺伝毒性評価を行うべく、コメットアッセイおよび小核試験に取り組み、これらの結果においても、共鳴送電下において有意な影響は見られなかった。 共鳴送電技術については、実用化が期待されるものの、その生体影響について直接的な評価が行われた例はなく、本研究課題の成果は非常に大きな意義を持つと考える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)