2012 Fiscal Year Annual Research Report
サンゴ礁における海水富栄養化の慢性毒性評価法の確立
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23310025
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山崎 秀雄 琉球大学, 理学部, 教授 (40222369)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | サンゴ / ストレス / 環境影響 / 富栄養化 / 活性窒素 / 影響評価 / ニトロ化 / アカウキクサ |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、ニトロフェノールをモデル化合物として、亜硝酸遊離を伴う脱ニトロ化反応の検討を行った。酸化チタンを用いて、ニトロフェノールから亜硝酸を遊離する光触媒反応を検討した。その結果、ニトロフェノール分解と遊離亜硝酸生成に良い対応が見られ、光触媒法によって、ニトロ基が亜硝酸イオンへ転換されることが示唆された。この反応は、マンニトールで抑制されることから、光触媒で発生するヒドロキシラジカルによって、ニトロ基の置換反応が起きていることが考えられる。 富栄養化の影響評価のモデル生物として、アカウキクサを採用した。アカウキクサは、富栄養条件等の環境ストレス負荷状態になると、根が急速に脱理する特徴的な性質を持っている。この現象を富栄養化解析の指標にして、ストレスに対するアカウキクサの応答を調べた。その結果、亜硝酸、高温、ポリアミンに対して感受性を示し、根の脱理を起こすことが確認された。窒素原子を3つもつアジ化ナトリウムで最も激しい脱理応答が見られ、その際に大量に一酸化窒素を放出することを見いだした。赤外線分光法を用いて脱理部分の細胞を調べたところ、ストレス負荷後では、細胞構成成分がニトロ化されていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
富栄養化慢性ストレス指標として、生体物質のニトロ化に着目して研究を遂行していが、その基礎化学反応の解明に時間を要している。単年度の進捗状況としては、当初計画よりもやや遅れている感があるが、3年計画の研究進捗としては、想定の範囲であり、最終的な目標達成は可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ニトロ化およびニトロソ化状態の検出法として、FTIR顕微分光測定法の適用を併せて検討する。実施にあたっては、米国ソノマ州立大学およびカリフォルニア大学の関連研究者と共同研究を実施し、生体ニトロ化のエビデンス取得を目指す。
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[Journal Article] Ontogenetic change in the lipid and fatty acid composition of scleractinian coral larve.2012
Author(s)
Figueiredo, J., Baird, A.H., Cohen, M.F., Flot, J.F., Kamiki, T., Meziane, T. Tsuchiya, M., Yamasaki, H.
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Journal Title
Coral Reefs
Volume: 31
Pages: 613-619
DOI
Peer Reviewed
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