2012 Fiscal Year Annual Research Report
スクラップ素材の高度分別のための変調測光レーザ誘起プラズマ発光分析装置の開発
Project/Area Number |
23310049
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
我妻 和明 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30158597)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | レーザー誘起プラズマ / 鋼スクラップ / 元素分析 / 組成判定 / トランプエレメント |
Research Abstract |
電気炉製鋼法は主に鋼スクラップを原材料とし、鋼のリサイクルに対して非常に重要な役割を担っている。鋼スクラップ材は一般に銅やスズなどの鉄鋼の性能を低下させるトランプエレメントを混入することが多く、また鋼スクラップの中でも特にステンレススクラップは有価な資源であるニッケル及びクロムを含有しているが、これらのスクラップは現在鉄源として電気炉に再投入されているのが現状である。これらの現状に鑑み、本課題は金属表面にレーザーを照射してレーザー誘起プラズマを発生させ、その発光から元素分析を行うことでスクラップの事前分別を試みるものである。本年度はスクラップの母材である鉄とトランプエレメントの代表である銅について、大気圧下における検量線の作成を試みた。減圧を用いない雰囲気でレーザー誘起プラズマの発光による検量線を作成することは迅速性を要求される実際のスクラップ選別の現場において非常に重要であり、今年度は日本鉄鋼連盟の標準試料、JISF FXSシリーズのFe-Cu二元系合金を用いて検量線の作成を試みた。これらの二元系合金中の銅濃度はそれぞれ0.2、0.5、1.0wwt%であり、この濃度範囲において強度の高い銅の発光線である324.753nm及び327.396nmの2つの波長の発光強度を用いて検量線を作成したところ、分散0.99、5快速艇における相対標準偏差で10%程度の概ね良好な結果を得ており、実際に銅濃度が0.2wt%以上である鋼スクラップの分別は十分に可能であるものと考えられた。またステンレススクラップの選別に用いるクロム及びニッケルの検量線についても同様の知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標は鋼スクラップ中に含まれる選別目的元素に対して大気圧下でその濃度測定のための良好な検量線を得ることであったが、その目的は概ね達成できたものと考えられる。特にステンレスの選別については実際に4種類のステンレス鋼板、SUS304(18Cr-8Ni)、SUS316(18Cr-12Ni-2.5Mo)、SUS420J2(13Cr-0Ni)、SUS430(18Cr-0Ni)については、そのクロム及びニッケルの含有量の違いから、1サンプルにつき25秒程度で十分に組成判定を行うことが可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成25年度においては、実際に鋼スクラップの選別システムの試作を予定している。これまでに使用してきたレーザー誘起プラズマ発光分光システムに加えて、ベルトコンベアを用いてスクラップの可搬システムを試作し、及びその動きを制御する光位置センサやプログラマブルロジックコントローラ等による制御回路の自作を行う。 試作したシステムによる分別を予定しているのは、前述の銅含有鋼スクラップ、ステンレススクラップに加えて、超硬工具などに用いられるタングステンを含有する鋼スクラップなどを予定している。
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Research Products
(7 results)