2011 Fiscal Year Annual Research Report
反応性官能基含有刺激感応性高分子を用いる高効率排水浄化システムの実用化
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23310054
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
齋藤 徹 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40186945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 伸夫 宇都宮大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50203469)
高貝 慶隆 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (70399773)
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Keywords | 温度感応性高分子 / 反応性官能基 / 界面活性剤 / 凝集沈殿 / 薬物 / 排水浄化 / 金ナノ粒子 / 金属イオン |
Research Abstract |
反応性官能基導入温度感応性高分子の調製と汚染物質除去 本年度はキトサンよりもさらに高密度にアミノ基を含有するポリアリルアミンを結合させた温度感応性高分子を調製し、汚染物質除去能を調べた。キトサンを結合させた温度感応性高分子に比べて、フェノール除去の容量は大幅に増加した。さらに、酸化酵素系についても検討したところ、チロシナーゼに比べてペルオキシダーゼー過酸化水素系において迅速な処理が可能となるばかりでなく、従来の排水浄化技術では除去が困難であった広範なフェノール系薬物やホルモン剤をほぼ完全に除去することができた。活性炭法と比較して分離媒体の添加量も少なく、高分子は小さな塊として水面に浮かび、容易に水から分離回収できた。また、アミノ基を起点とする誘導体化反応により、金属イオンに対する強い捕捉能を有する温度感応性高分子の調製が可能となった。 高分子電解質-界面活性剤凝集系の設計と有機汚染物質の迅速除去 新たに見出された高分子電解質-界面活性剤凝集系について、最適な凝集条件と有機汚染物質除去への適用性を検討した。高分子電解質の分子量、界面活性剤の種類、両者の混合比の検討により、ポリアリルアミンとアニオン界面活性剤の混合による析出物を凝集させ、水から完全に分離することができた。これにより、加温を必要としない反応性官能基含有高分子の凝集系が実現した。アミノ基との反応性を有するアルデヒド類の他、添加した界面活性剤の働きにより、様々な有機汚染物質の一斉除去の可能性が見出された。 有機汚染物質簡易高感度モニタリング技術の開発 微量であっても生態系への影響が大きな水中有機汚染物質につき、簡便かつ高感度な計測技術を検討した。チオール化合物については金コロイドー温度感応性高分子系によるセンシングシステム、抗菌剤については蛍光消光現象の利用、極微量抗生物質についてはカスケード分離濃縮法の適用により、高感度計測が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
反応性官能基を有する高分子の凝集系を設計し、従来の排水処理技術では効果的に除去されてこなかったフェノール類やアルデヒド類を迅速かつ高効率に除去できるようになった。さらに、界面活性剤の添加による凝集系の適用を新たに行い、様々な有機汚染物質除去への適用の可能性が示された。加えて、水中汚染物質の新規モニタリング技術も確立された。
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Strategy for Future Research Activity |
1.適用性の拡大生態系への影響が強く懸念されている有機汚染物質として、抗生物質や合成抗菌剤、ホルモン剤、鎮痛剤、抗鬱剤、抗癌剤等の薬物への適用性を明らかにする。併せて、金属イオン等、無機汚染物質について高分子を設計・調製し、高効率捕集の可能性を検討する。 2.連続的排水浄化システムの設計本法の実用化のために、実験室レベルの連結槽を試作し、連続的に排水を処理できる仕組みを検討する。最終廃棄物の減容化や高分子分離媒体の再利用についても検討する。 3.有害成分モニタリング法の開発上記環境汚染物質を中心にさらなるモニタリング技術の確立を推進する。
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[Journal Article] Development of metal-isolable polymer-gel sorbent for mutual separation of Ti, V, Zr, Nb, Mo, Ta and W2012
Author(s)
T.Kato, S.Igarashi, T.Horiguchi, Y.Takagai, O.Ohno, M.Butsugan, H.Yamaguchi
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Journal Title
Journal of MMIJ
Volume: (印刷中)(in press)
Peer Reviewed
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