2013 Fiscal Year Annual Research Report
クエンチングを生じないナノ構造による著しい発光増強機能の創出
Project/Area Number |
23310064
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 真至 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (50107348)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノ構造 / 微粒子 / 蛍光増強 / 有機分子 / 近接場 / 光散乱 |
Research Abstract |
本年度は、従来の研究を総括するとともに、蛍光増強のための新しいナノ構造を提案することを目指して、研究を推進した。 1)GaP微粒子による蛍光増強の理論的検討:これまでに、最大で100倍を超える蛍光増強を観測しており、さらに励起スペクトルの測定から、蛍光増強度が励起波長の増大とともに単調に増大するという結果を得ている。このような実験結果を、理論的に解明するため、Mie散乱の理論に基づいて微粒子表面の電場増強度の計算を行った。計算には球形微粒子を仮定し、粒子サイズ分布も考慮した。計算結果は、電場増強度がある波長で最大値を取る傾向を示し、増強度が波長とともに単調に増加する傾向は再現できなかった。このような不一致は、実験で使用した粒子は球形よりもむしろ楕円体に近く、また粒子同士も凝集していることによると思われる。一般に、粒子が楕円体であったり、凝集していると共鳴波長は長波長にシフトすることが知られている。そのようなシフトを考慮すると実験結果が説明できる。 2)蛍光増強をもたらす新規ナノ構造の提案:従来の微粒子を使った蛍光増強から発想を転換し、平面多層膜系での理論的検討を行った。その結果、従来から表面プラズモン励起に用いられている金属薄膜のクレッチマン配置に、誘電体層からなる導波路を導入すると、導波路表面近傍に著しく増強した電場を誘起できることが判明した。表面電場増強度は3桁以上にも上り、しかも誘電体層には損失がないことから、クエンチングを生じずに蛍光増強が実現できると予想される。今後の実験的検証が強く望まれる。尚、本研究は、モロッコ王国、ラバト市のOptics and Photonics Center, Moroccan Foundation of Advanced Science, Innovation and Research (MAScIR) と共同して行ったものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)