2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23310071
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 誠 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60282109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 展行 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00313263)
和沢 鉄一 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80359851)
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Keywords | 局所粘度計測 / 蛍光偏光解消 / 回転相関時間 / ハイパーモバイル水 / アクチンフィラメント / 蛍光異方性 / 水和水 / 水和水の粘度 |
Research Abstract |
ナノシステムの摺動用材料を開発する上で、摺動部材間の間隙を満たす水層の粘度を計測することは重要な課題である。ナノシステム材料としてタンパク質は有望な材料であるが、タンパク質表面に接する限られたナノスペースにある水の粘度を局所的に直接測定しようとする試みはまだない。ここで提案する研究は、タンパク質(ここではアクチン)表面に、可変リンカー長の蛍光分子を結合し、パルスレーザーで励起し、蛍光偏光解消を時間分解で測定することにより、蛍光分子の回転相関時間を求め、対象物表面に結合した蛍光分子を取り囲むナノボリュームの水の粘度を測定する方法の確立を目的とする. 研究実施内容:本研究では、タンパク質表面に、可変リンカー長の蛍光分子を結合し、パルスレーザーで励起し、蛍光偏光解消を時間分解測定する。これまでの誘電緩和測定によれば、アクチンフィラメント表面にハイパーモバイル水が厚さ1nm程度存在することが予想されるので、アクチンに蛍光色素を結合し、水和層の中から外に至る水の粘度変化を測定する。具体的には、 ・蛍光偏光解消法による回転相関時間測定システムを構築した。 ・対象とするタンパク質分子としてアクチンを選び、ハイパーモバイル水が存在すると予想される部位(アクチンCys374等)に蛍光色素を導入した。これまでCy3、rhodamin6GにシステインのSHに結合するマレイミド基やハロゲン基などを導入する。そのとき、色素部と反応基間のリンカーをポリエチレングリコールPEGをリンカーとする長さ0.5nm~2nmの蛍光色素を作成した。 ・蛍光寿命、蛍光異方性を作成した各色素に対して測定し基本データを得た。 ・アクチンに作成した蛍光色素を導入し蛍光偏光解消の時分割測定を行い、色素の回転相関時間を測定した。リンカー長の長さと評価される水の粘度の関係をもとめ良い相関を得た。G-actin上のCy3については定常状態異方性とナノ秒異方性減衰とは,ほぼコンシステントな結果を得た。 ・蛍光色素の定常蛍光異方性と蛍光寿命から見積もられる回転相関時間への立体障害の効果と、偏光解消の時分割測定による回転相関時間の比較から、定常測定の結果を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大震災後の研究室環境は平成24年1月にようやく通常実験が可能な状態に復帰してきた。そのため予定した実験はほぼ実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
リンカー長の最も長いときの測定値をバルクの水の粘度と比較し、リンカー長に求められる条件を得る予定である。蛍光色素の定常蛍光異方性と蛍光寿命から見積もられる回転相関時間への立体障害の効果と、偏光解消の時分割測定による回転相関時間による検証をさらに進める。また,蛍光色素の結合サイトとしては,Cys374に加えて,Phalloidinも対象として実験を進める予定である。
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Research Products
(34 results)