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2012 Fiscal Year Annual Research Report

空間閉じこめによる新規液晶構造発現と高速表示デバイスの作製

Research Project

Project/Area Number 23310072
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

石川 謙  東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (10176159)

Project Period (FY) 2011-04-01 – 2014-03-31
Keywords液晶 / 光デバイス / 構造柄制御 / メゾスコピック構造 / ナノ構造 / 自発構造形成
Research Abstract

分子に不斉炭素をもつキラル化合物からなる液晶には、光の波長程度のナノメートルスケールの自発的な1次元周期構造を有する「ナノ構造液晶」とも言うべき状態をとる物がある。ナノ構造液晶にはコレステリック液晶のように単一の周期構造となるものの他、キラルスメクチック液晶のように、ナノスケールの周期構造がさらに大きな螺旋構造をとる多層の構造形成を行うものもある。本研究ではこれらのナノ構造液晶を対象物質とし、構造に未解明の点が残る液晶群についてはその解明を行い、その上で、これらのナノ構造液晶を微小空間に閉じ込めて、周期構造の次元性を制御し、新たな表示デバイスの原理を構築することを目的とし、本年度は以下の研究を行った。
(1)ナノ構造液晶のうち、強誘電SmC相と反強誘電SmCA相間の連続転移を示す系について、未解明であった転移中間状態の構造解明を目的とし、電場誘起微小複屈折変化と特性反射測定を同時に行なった結果をもとに、ロシアの理論家との共同研究を行い、微視的なモデルの上に立脚した理論の構築を行った。
(2)閉じ込めによる構造制御に重要な界面の規制力と界面がバルク内部の液晶分子配向に及ぼす影響を測定するために、2光子螢光顕微鏡を構築して、強誘電性ナノ構造液晶に関する測定を行った。
(3)コレステリックナノ周期構造液晶について、光応答性デンドリマーをドープした、微小空間に閉じ込め構造を作製し、光照射による閉じ込め構造のスイッチ現象を見いだし、それぞれの構造のモデルを構築した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究目的のうち、構造が未解明であったSmC、SmCA転移中間状態に関しては、構造を明らかにしたことに加え、ロシアの理論家との共同研究により理論構築を行った。この理論により予想された新たな構造が他グループの実験により確認されており、強誘電ナノ構造液晶の構造解明に関する研究に関しては期待以上の成果が上がっている。また、閉じ込め時の構造を予測するために重要な界面との相互作用と、その到達範囲を測定するために、2光子螢光顕微鏡を構築を行い、それを用いた測定を開始しており、順調に進展している。
コレステリック液晶については、光応答性デンドリマーとの組み合わせによる構造制御を見いだすなど、研究開始当初には、想定していなかった新しい可能性を見いだし、外場として電場に加えて光による書き込みなどの展開を平行して行っており、全体として計画が順調に進行している。

Strategy for Future Research Activity

極性スメクチック液晶に関しては、ナノ構造の解明が実験、理論の表面からなされたので、その知見の上に、デバイス応用を目的とした、閉じ込め構造の解明と制御および、応答特性評価を行う。具体的には、2光子螢光顕微鏡を用いて界面からバルク内部への構造変化の観察を、電場強度依存性も含めて行い、閉じ込め構造の解析と界面での相互作用の解明をあわせて行う。それを元に、閉じ込め時の構造と、その外場応答を明らかにし、本研究の目的である光電気デバイスの開発を行う。
コレステリック液晶に関しても、これまで界面との相互作用がどのように内部に伝搬していくのかについて不明瞭な点が残されているために、2光子顕微鏡を使った検討を行う。また、ナノ閉じ込め構造の電場応答に関しては、ナノ構造スケールにより、生じる構造に違いがあることから、閉じ込め構造により電場などの外場に対する応答が異なる。このため、通常の光学系での測定では、ある分布の閉じ込め構造の平均的な応答を見ることになり、デバイス作製に必要な精緻な電気光学特性のデータが得られない。そこで、顕微鏡下で単一閉じ込め構造の過渡光応答を測定する系を構築しサイズ毎の応答性の評価を行う。その測定を通して、ナノ構造のスケールの最適化を行い、デバイス応用への展開を行う。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] Smooth transitions between biaxial intermediate smectic phases2013

    • Author(s)
      V. Emelyanenko, K. Ishikawa
    • Journal Title

      Soft Matter

      Volume: 9 Pages: 3497-3508

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Degeneracy lifting due to thermal fluctuations around the frustration point between anticlinic antiferroelectric SmC(A)* and synclinic ferroelectric SmC*.2013

    • Author(s)
      Sandhya KL
    • Journal Title

      Phys Rev E

      Volume: 87 Pages: 012502(13Pages)

    • DOI

      10.1103/PhysRevE.87.012502

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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