2011 Fiscal Year Annual Research Report
肺内部での吸気呼気計測を可能にする超小型カテーテル流量センサの開発
Project/Area Number |
23310091
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
式田 光宏 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (80273291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川部 勤 名古屋大学, 医学部, 教授 (20378219)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / マイクロマシン / 知能機械 / 医療・福祉 / マイクロマシン |
Research Abstract |
本研究では,現代医学で未解明の領域とされている末梢気道(別名,サイレントゾーン)での呼気吸気特性を解明することを目的として,世界に先駆けて末梢気道の計測評価が可能な超小型カテーテル流量センサの実現を目指した.具体的に,今年度は以下の研究課題を克服した。 (1)生体適合性材料をベースにした超小型カテーテル流量センサの実現(センサの超小型化/安全性の確保) 本テーマでは,生体適合性のある材料をベース材として,超小型カテーテル流量センサを実現する作製プロセスを検討した.具体的には,ホトリソグラフィー技術を用いてパリレンHTフィルム上に熱線流速計を作製し,熱収縮チューブを実装材に用いることで,外径2.0mm以下のカテーテル流量センサを作製した.今年度は特に,パリレンHTフィルム上に作製した熱線流速計からの配線方法を検討し,異方性導電性フィルムによるワイヤー取り出し手法を確立した.また,上記微細加工で作製した超小型カテーテル流量センサの流量特性を評価し,熱線流速計の校正曲線となる流量特性(流量とセンサ出力の関係)及び応答速度を計測評価した. (2)超小型カテーテル流量センサによる動物の呼気吸気測定(臨床応用への礎) 本カテーテル流量センサを動物実験へと展開し,本センサの有用性を実証すると伴に,臨床応用への足がかり構築を目指した.具体的には,上記手法にて作製した超小型カテーテル流量センサをラット,マウスを気道に挿入し,本流量センサでラット,マウスの呼気吸気特性が評価できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書記載の研究実施計画に従い,本年度は,(1)生体適合性材料をベースにした超小型カテーテル流量センサの実現,(2)超小型カテーテル流量センサによる動物の呼気吸気測定,の二つの研究課題の克服に挑んだ結果,(1)に関しては,生体適合性材料であるパリレンHTフィルム及び配線実装方法を検討することで,外径2.0mm以下のカテーテル流量センサの実現に成功した.また(2)に関しては,上記手法にて作製した超小型カテーテル流量センサをラット,マウスを気道に挿入し,本流量センサでラット,マウスの呼気吸気特性が評価できることを確認した.以上の結果より,研究はおおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後については,当初の予定通り下記の研究課題を解決する予定である. (1)超小型カテーテル流量センサへの温度センサ集積化技術 本テーマでは,この気体の温度変化を補償することを目的として,流量センサに更に温度センサを集積化する. (2)超小型カテーテル流量センサによる動物疾患モデルの計測評価 本テーマでは,薬物投与による気道収縮効果を,世界に先駆けて直接的に,リアルタイムで測定評価する. (3)気管支鏡への実装技術 本テーマでは,上記(1)で完成した超小型カテーテル流量センサを気管支鏡へ組み込むことを検討する.
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