2012 Fiscal Year Annual Research Report
アディポカイン迅速測定用マイクロチップの開発と糖尿病早期診断への応用
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23310093
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
片岡 正俊 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 研究グループ長 (20224438)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マイクロチップ / サンドイッチELISA / アディポカイン / IL-6 / TNF-alpha |
Research Abstract |
アディポカイン迅速測定用マイクロチップ基板作製のため、まず環状ポリオレフィン基板に作製した幅300 mm、深さ100 mmのマイクロ流路上に微細化インクジェットを用いて抗体固定を行い、マイクロ流路でのサンドイッチELISA法の確立を行った。このマイクロチップ基板でのサンドイッチELISA法を用いて、アディポカインのうち特に血中濃度がpg/ml単位と極微量しか血中に存在しない炎症性サイトカインであるIL-6およびTNF-alphaについて、迅速・省サンプルな定量検出系の構築を行った。IL-6およびTNF-aともに、同一チャンネルあるいはチャンネル間の測定においいてRSDは10%以内と高い再現性を示した。さらに、それぞれのサイトカインで検出感度2 pg/mlで32 pg/mまで十分に臨床的基準値の範囲で定量的検出が可能となり、また日内再現性および日間再現性も10%以内と既存法と同程度の高い再現性を認めた。一枚のマイクロチップ基板に複数のマイクロ流路を作製して、各流路に抗IL-6一次抗体と抗TNF-aipha一次抗体を吐出・固定化を行った後に、各流路でヒト血液を導入して血中サイトカイン量を測定、それぞれ既存96穴ELISA法から得られる血中濃度と比較検討した。その結果、既存法から算出した血中濃度と有意差なく正確に一枚のマイクロチップ基板で同時に血中IL-6およびTNF-aが35分の抗原抗体反応時間で測定され、迅速・省サンプルなマルチ検出系が構築された(PLoS One, e53620)。さらに、マイクロチップ基板でのアディポネクチン定量検出系の構築を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由)各種アディポカインのマイクロチップ基板上でのサンドイッチELISA検出系を順次構築している(PLoS One, e53620)。極微量しか血中に存在しないIL-6やTNF-alphaを対象とするマルチ検出チップの開発も成功しており、これに加えてmicrogram/mlと血液中に高濃度に存在するアディポネクチンの定量検出も可能になっている。今後、レプチンや高感度CRPのオンチップ検出系を構築するとともに、OGTT時の継時的発現解析へ応用する。
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Strategy for Future Research Activity |
IL-6やTNF-alpha、アディポネクチンなど複数のアディポカインの定量測定系のオンチップ化を進めており、残りの研究機関中に他のマーカーについてもオンチップ検出系の構築を行う。これらアディポカインのオンチップ検出系が構築されることで、極微量の血液から迅速に各種マーカーの定量測定が可能になる。今年度以降は大学等の臨床機関と協力を行いOGTT時の系時的アディポカイン測定を行うことで、糖尿病発症の早期・予知診断マーカー探索を行う。
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Research Products
(2 results)