2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23310105
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 秀男 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10282328)
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Keywords | サービス・マーケティング / サービス品質 / 顧客満足度 / スポーツ・マーケティング / ソーシャル・マーケティング |
Research Abstract |
ParasuramanらのSERVQUAL、Bradyらのサービス品質評価に関する3次の階層モデルを踏まえて、新たなサービス品質評価モデルを構築した。対象としては、プロスポーツチーム(プロ野球チーム、Jリーグクラブ)とし、スタジアムでの実地調査を行い、2011年8月から10月にかけて観客に対するアンケート調査を行った。プロスポーツのサービスの特徴として、チーム・選手、チームの成績などのコアなサービスと、スタジアム、ファンサービス、地域貢献などの付加サービス、ファン意識、チーム・アイデンティフィケーション、これらの両者の特徴を踏まえた概念化を行った。さらには、近年、注目されている、ソーシャル・メディアによるロコミ効果の検証も行った。その結果、サービス品質が向上し顧客満足度が向上するほど、ポジティブなロコミ効果が増加するほど、応援ロイヤルティ、観戦ロイヤルティに影響を与えることが分かった。同様に、それらのサービス品質評価モデルを踏まえて、ACSIに基づくプロ野球の満足度指数モデルの構築を行い、顧客満足度を中心とした構成概念のスコア化を行った。従来の研究成果を利用し、2009年1月下旬から2012年1月下旬のインターネット調査結果によるプロ野球の満足度指数モデルおよび各概念スコアの経年変化の考察を行った。全体的な傾向として、ファンサービス・地域貢献の影響が大きく、その評価が高いチームほど、総合満足度も高評価となっている。 インターネット上の情報と満足度の関係について、書籍、邦画・洋画作品を対象に、満足度、ネット上でのレビュー、検索数、言及数、売上と関係性を検証した。満足度、レビュー、売上の間において正の関係性があることを確認した。キーワードの検索数、ソーシャル・メディア上での言及数と満足度や売上の間について、必ずしも正の影響があるとは言えない結果となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サービス品質・顧客満足度の評価モデル、インターネット上の情報との関係性について、実証研究は順調に進展している。因果モデルの推定法のサービス品質および顧客満足度の評価モデルの拡張、インターネット上の情報の収集と分析については、まだ発展途上であり、さらなる研究の推進が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
サービス品質・顧客満足度の評価モデルの高度化と実証の継続を行う。インターネット上の情報、経営成果指標との関係性の実証を行うために、関連データの収集を行う。因果モデルの推定法についても検討し、試行する。
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