2011 Fiscal Year Annual Research Report
地方都市における防災まちづくり推進のための大規模災害避難訓練シミュレータの開発
Project/Area Number |
23310110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
多田村 克己 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30236533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貝 彰 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10160433)
鵤 心治 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30264071)
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Keywords | 避難訓練 / 仮想空間 / 大規模災害 / ウォークスルー / コンピュータグラフィックス |
Research Abstract |
多田村を中心とする研究グループは,東日本大震災の教訓を本研究にも最大限加味できるように,シミュレータの仕様を再検討した.その結果,ウォークスルーに関する基本仕様の変更はしないが,局面毎に避難のための意思決定を行う訓練を実施可能な機能を追加することにした. 大規模災害の避難訓練では,目前の景色だけでなく遠方の状況も勘案しながら正しい判断を行うということを反復練習できることが重要だと認識しており,この点を重視したプロトタイプを開発している.最初に開発するバージョンでは,表示要素のリアリティは最低限に抑えて,応答性と状況の把握が確実に行える事を優先している.研究の過程で,大地震後の建築物倒壊に起因する避難行動の阻害要因は,道路に散乱する瓦礫であることから,地震による家屋倒壊の影響の表現に関しては,当初予定していた倒壊した家屋の表現自体よりもそれにより生じる瓦礫の道路上での散乱の表現の開発を優先して着手した. また,ウォークスルーシミュレータによる避難訓練を実施するためには,そのための対象地域を選定してそれぞれの建造物の属性休造,コンクリート造など)の調査を実施して,地震と火災のシミュレータを実施しておく必要がある.また,CG表現が可能なように建造物の情報を面の情報に変換する必要がある.対象地域の面積や木造家屋の密集度合いを勘案した検討に着手した. 大貝を中心とする研究グループは,延焼シミュレータのプログラムをグラフィックスプロセッサ(GPU)を利用可能なようにアルゴリズムの見直しを行い,並列処理による高速化を実施した. 鵤を中心とする研究グループは,宇部市で実施する防災まちづくりワークショップ開催のための対象地域選定のための検討に着手した.中心市街地を中心に情報収集した結果,必要な情報は市販されているディジタル情報ではすべて揃わないことが明確になり,次年度対応方法について検討することにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の中心は,避難訓練シミュレータの開発であり,これに関しては昨年の大震災の考察を取り入れて実用性を向上させる方策をとっている.このため当初予定の機能にいくつか追加したり,開発順序を変更したりしている.このため,ウォークスループログラムの開発方法を変更する必要が生じている.このため,この部分には若干の遅れを生じているが停滞しているわけではなく,他の部分は順調に進展しており,全体では予定通りといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
避難訓練シミュレータの開発については,当初計画では次年度要求仕様を固めて平成25年度に外注に出すことにしていたが,個々の機能に関する開発規模の予測が困難であることが判明した.このため,ソフト開発業者と相談しながら開発を推進することにしている.また,想定以上に市販データが少ないため,CG用の物体データも含めてデータ作成を外部に依頼する事を検討する.
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