2011 Fiscal Year Annual Research Report
ネバーダイネットワークの概念による大規模災害情報システムの構築と実証実験
Project/Area Number |
23310111
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
柴田 義孝 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (80129791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 浩二 公立大学法人岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (80305309)
湯瀬 裕昭 静岡県立大学, 経営情報学部, 准教授 (30240162)
高畑 一夫 埼玉工業大学, 人間社会学部, 教授 (60226909)
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Keywords | 災害情報 / 対故障性 / 分散システム / 無線LAN / 安否情報 |
Research Abstract |
本年度においては、まず衛星通信と複数の異種無線の組合せによるネバー・ダイ・ネットワークのモデルを構築した。すなわちシステムのノード故障、回線故障および輻輳の各々に対し動的に対応できる耐故障や負荷分散可能な基本技術を開発するため、動的モデルの理論的定式化を行い、その上で対故障性の原理と方式を考案した。そして、この設計仕様に基づき、実際に衛星通信と複数無線上において、通信環境と通信環境を監視し、縮体しながらも稼働可能なコンポーネットによる最も適切なリンクや経路を選択し、そして動的にネットワークを制御・再構成できるアルゴリズムを開発サーバ上にエミュレーションとして実装し、各種故障や過負荷の場合を想定し、機能および性能評価により本方式の有効性を確認した。 次に本ネバー・ダイ・ネットワーク機能を組み込んだPCルータを用意し、衛星通信,複数の高速無線ネットワークを新たに導入して組み合わせ、これらを通信環境や接続形態により動的に無線リンクや経路を選択可能なコグニティブ無線ネットワークシステムを開発した。そして本システムの有効性を確認するために岩手山周辺の中山間地域をフィールドとして本中継局を山頂または丘陵に設置し、本システムと民家や避難所と異種無線により接続し、Web-GIS広域災害情報共有システムよる災害情報サービスを行った。また災害時のローカル災害情報サーバ故障を想定した遠隔地ミラーリングや負荷分散機能のフィールド実験より性能および機能評価を行った結果、本研究の有効性を確認することが出来た。本成果は国内学会誌、国際学会および国内学会にて多くの発表を行うことが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
衛星通信と複数の異種無線の組合せによるネバー・ダイ・ネットワークのモデルを構築出来たことと、そのプロトタイプシステムを実装し、性能評価から当初の目標をほぼ達成している点。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は当初計画通り、中山間地域を主なターゲットとして岩手山周辺を実験フィールドで行ったが、東日本大震災の直後でもあり、今後津波震災を想定したネバーダイネットワークシステムとしての仕様や機能を追加して行う必要があり、情報伝達手段として特に、通信機器の非常電源の故障や破壊をも考慮した自立性や自己診断機能についても検討する必要がある。
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Research Products
(24 results)