2012 Fiscal Year Annual Research Report
非接触人体検出技術を用いた独居高齢者の元気度モニタリングシステムの開発
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23310117
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
栗田 耕一 近畿大学, 工学部, 教授 (90455171)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 歩行運動 / 非接触計測 / 静電誘導電流 / 独居高齢者 / 安否確認 |
Research Abstract |
本研究では独居高齢者の歩行運動を非接触で検出することにより、安否確認のみならず、従来法では困難だった独居高齢者の元気度の評価を行なう技術を確立することを目的としている。我々は、被験者の歩行運動による人体電位変動を、被験者から数メートル離れた位置に設置した電極に誘起される静電誘導電流を検出することにより非接触で歩行運動を検出する技術を開発した。本年度は、歩行運動中の足の接地や離地の際の足裏接地面積の変化の時間微分が元気度と相関があることを明らかにした。さらに、センサの耐ノイズ性能と感度を向上させることにより、従来使用していた20cm角の電極を2cm角に小型化することに成功した。一方、XBeeを用いた静電誘導による歩行信号検出用の小型ワイヤレスセンサを開発し、独居者の歩行データをワイヤレスで検出可能であることを確認した。このデータから、被験者の歩行データを蓄積して元気度データとして算出する間隔として、最大1時間程度でも元気度の推定が可能であることを明らかにした。また、検出した歩行信号をFFT解析し元気度を算出するロジックを明らかにした。さらに、FOMAを用いた元気度転送システムを構築し、データ転送が可能であることを確認した。データ転送のコストを低減させるため、通信距離が1km程度の複数のXBeeをメッシュ配置として使用し、元気度データの転送を実証した。その結果、元気度のデータ転送方法としてFOMA等のパケット通信方式のみならず、XBeeもコスト面で極めて有効であることを明らかにした。これにより、インターネットを用いることなく元気度データ送信も可能であることを明らかにした。これにより、インターネットが普及している家庭ではインターネットを、普及していない家庭ではXBeeを用いることにより、独居高齢者の元気度データの送信が可能であることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
足の引き摺り等の歩行運動の僅かな変化が歩行運動により誘起される静電誘導電流波形に反映されることが明らかになり、元気度の推定法、データ送信方法を具体化し検証することができ順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
独居高齢者の歩行運動を非接触で検出することにより、安否確認のみならず、従来法では困難だった独居高齢者の元気度の評価を行なう技術を確立することを目的として、当初の計画通り、元気度評価システムの実証試験を行ない運用上の課題やシステムの改良等を実施する。
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Research Products
(16 results)