Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 未対 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (50251624)
一井 康二 広島大学, 工学研究院, 准教授 (70371771)
東畑 郁生 東京大学, 工学系研究科, 教授 (20155500)
飛田 哲男 京都大学, 防災研究所, 助教 (00346058)
渦岡 良介 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (40333306)
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Research Abstract |
本研究では,大都市沿岸域を念頭に,地震動と津波による複合地盤災害に対する脆弱性評価と被害軽減のための方法論を構築することを目的とする.この研究課題は,2004年スマトラ地震による災害事例に代表されるように,広域かつ複合的である点に特徴があり,潜在的に抱える被害の甚大さは巨大であって,地すべりなどの一般社会の目に触れやすい地盤災害をはるかに上回る.本研究では,世界初の大型ハイブリッド型遠心力載荷装置による複合地盤災害の現象解明に基づき,性能設計の枠組みに基づく広域脆弱性評価と被害軽減のための新たな方法論の構築を行なう.本研究期間においては,南海地震などの発生が切迫し,緊急性も高い大阪湾岸に広がる防潮堤・河川堤防,および水門・樋門・門扉の構造系施設を,具体的なモデルケースとして想定する. 平成23年度は,防潮堤・河川堤防を対象として,地震動と津波による複合地盤災害の現象解明を,遠心力場での模型実験と有効応力解析による数値シミュレーションにより行なった.これと平行して,大阪湾岸地域をモデルケースとして,それぞれの地盤・構造物系を念頭に,広域複合地盤災害軽減のための方法論を構築した.研究実施のための分担項目として,(1)遠心力場での模型実験,(2)有効応力解析による数値シミュレーション,(3)チャート式耐震診断システムの複合災害への応用,(4)広域地盤モデル構築,(5)地盤アセットマネジメント,(6)被害軽減策(地盤改良含む),(7)総合的な方法論の構築,(8)アーカイブ作成とアウトリーチ,の8項目を設定し,有機的な分担体制で研究を推進した.特に、津波との複合災害、基礎地盤内の間隙水の伝播に伴うボイリング的な現象による複合破壊の機構に焦点をあて、新たな複合破壊機構についての研究を推進した。
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