2014 Fiscal Year Annual Research Report
山岳地における気温・日射量を指標とした融雪強度モデルの汎用化と雪崩防災への適用
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23310124
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
河島 克久 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 准教授 (40377205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 啓助 信州大学, 理学部, 教授 (60145662)
上石 勲 独立行政法人防災科学技術研究所, 雪氷防災研究センター, 総括主任研究員 (60455251)
飯田 肇 公益財団法人立山カルデラ砂防博物館, 学芸課, 学芸課長 (70574309)
伊豫部 勉 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 特任助教 (50397155)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 融雪モデル / 積雪層浸透モデル / 山岳地 / 雪崩災害 / 防災 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)融雪熱収支観測、斜面ライシメータ観測、雪崩監視等の現地観測を今年度も実施した。なお、斜面ライシメータ観測と雪崩監視は魚沼市及び南魚沼市において実施した。 2)本研究課題で得られた融雪強度モデル(Qm=aKd+bTa+c)の係数は,係数aが0.302~0.601,係数bが1.6~19.6,係数cは-50.0~-0.9の範囲となり,地点によって係数の最適値に大きな違いがみられた.係数aは全天日射量にかかる係数であることから,雪面アルベドの違いを反映していることが明らかになった。一方,係数bと長波収支・顕熱・潜熱・雨水熱量(気温が関連した熱収支成分)の合計が融雪熱量に占める割合との間には正の相関が認められ,係数bが各地点の融雪熱収支特性を反映していることが明らかになった。しかし、メッシュ気候値等の指標気候値から任意地域のモデル係数を決定する手法の開発まではいたらず、今後の課題として残された。 3)積雪層浸透モデル(非線型べき乗貯留関数モデル)に含まれる係数を斜面ライシメータの観測データから決定したところ、0.5×10-4~3.2×10-4の範囲であることが明らかになった。この係数を用いることによって、斜面における積雪底面流出量の推定が可能である。前年度に見られた日最大積雪底面流出量が2mm/hを超え始めると全層雪崩が頻発する傾向は有意義な知見であることが今年度も確認されたが、厳冬期には1mm/h程度の日最大積雪底面流出量でも全層雪崩が発生することがあり、このような時期による違いを危険度評価手法に反映させることが重要である。 4)2014年9月に御嶽山水蒸気噴火が発生し、火山灰や火砕流堆積物が山地斜面に堆積したため、融雪期の雪泥流や融雪泥流の発生が懸念された。そこで本研究課題で開発した融雪強度モデルと積雪層浸透モデルを御嶽山に適用し、融雪量と積雪底面流出量の推定を行った。これらのデータはリアルタイムで公開し、被災自治体の災害対応に有意義に活用された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
2014年9月の御嶽山火山災害を受けて、積雪期の防災に資するため「御嶽山積雪期火山防災情報プラットフォーム」を2015年5月まで公開した。これは、行政・市民・観光客等がパソコンやスマートフォンを用いて、積雪期の御嶽山における火山防災に関する最新の情報を閲覧・共有できる仕組みである。このプラットフォームの中で、本研究課題の成果を用いて御嶽山の融雪量や積雪底面流出量を推定し、公開した。
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Research Products
(29 results)