2011 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素応答のメタボローム解析から新しい虚血再潅流傷害治療法の開発へ
Project/Area Number |
23310136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
南嶋 洋司 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20593966)
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Keywords | 低酸素応答 / HIF / PHD / 虚血再灌流傷害 / メタボローム解析 / 心筋梗塞 |
Research Abstract |
"生体内酸素濃度センサー"であるプロリン水酸化酵素・PHDファミリー(PHD1~PHD3)のうち、生体内では主にPHD2が低酸素応答を負に制御している。このPHD2を欠損させたマウスの心臓において虚血再灌流モデルを作製したところ、対照群と比較して有意に心筋梗塞巣のサイズの縮小と心機能低下の抑制が確認され、心筋の虚血再灌流時にPHD2を阻害することが心筋梗塞の治療において有効である可能性が改めて確認出来た。 そこで、このPHD2欠損マウスを用いて体外型心灌流モデル(Langendorf灌流モデル)を作製し、現在このモデルから再潅流後15分、30分、45分、60分の心筋組織を採取し、CE-MS(キャピラリー電気泳動型質量分析機)によるメタボローム解析を行っているところである。 また同時に、この体外型心灌流モデルからmRNAも回収し、再灌流後の経時的発現プロファイリングを行っている。 今後は心臓だけに限らず、腎・肝あるいは脳においてもin vivoの虚血再灌流モデルを作製し、同様の代謝産物・発現解析を行う。これらの解析データから、最終的に「低酸素応答による臓器保護作用の分子メカニズムの解明」を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究に用いるマウスの米国からの搬入が、マウス飼育施設の感染という先方のやむを得ない事情により大幅に遅れたため、当初の研究計画全体も後ろ倒しとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
海外からのマウスの搬入が大幅に遅れたため、当初予定していた実験の開始も大幅に遅れたが、より大きな飼育施設でより効率的に繁殖させることで、実験に使用する個体数が確保出来る状況になってきた。H23年度に行う予定であった心臓の虚血再灌流モデルをH24年の5月より開始する。7月以降にメタボローム解析を行う。本年度後半に分子メカニズムの解明に着手する。
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[Journal Article] Loss of the retinoblastoma binding protein 2 (RBP2) histone demethylase suppresses tumorigenesis in mice lacking Rb1 or Men12011
Author(s)
Lin W, Cao J, Liu J, Beshiri ML, Fujiwara Y, Francis J, Cherniack AD, Geisen C, Blair LP, Zou MR, Shen X, Kawamori D, Liu Z, Grisanzio C, Watanabe H, Minamishima YA, et al
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A
Volume: 108
Pages: 13379-86
DOI
Peer Reviewed
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