2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23310140
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
守屋 央朗 岡山大学, 異分野融合先端研究コア, 准教授 (60500808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 能士 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教 (20443442)
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Keywords | ゲノム / 遺伝子量不均衡 / 酵母 |
Research Abstract |
〈研究の目的〉遺伝子量不均衡により細胞機能に悪影響を及ぼす遺伝子のことを量的均衡遺伝子(DBG)と呼ぶ。DBGの多くは、病気の原因遺伝子である可能性が指摘されている事に加え、DBGはゲノムの基本構造を決めている可能性もある。しかし、実際の生物のゲノム上にどれくらいDBGが存在しているのかは全く分かっていない。そこで本研究では、出芽酵母のDBGとそのパートナーを、申請者が開発した遺伝子綱引き法により網羅的に同定し、DBGとそのパートナーが作るネットワークの全容を明らかにする事を目的とする。本研究で得られる知識は、ゲノムの進化や完全性の維持機構を考える上で非常に重要な役割を果たすと考えられる。さらには、遺伝子コピー数の変化によって生じる病気の原因遺伝子の解明やその発症メカニズムの解明にもつながると期待される。 〈研究実施計画〉研究目的の達成のために、本研究ではgTOWを中心的実験手法として、出芽酵母の遺伝子について、(1)わずかなコピー数の変動により細胞機能に悪影響を及ぼす遺伝子を網羅的に取得し、(2)それらのパートナー遺伝子の同定を行う。また、本研究で同定されたDBGついて、(3)特徴となる性質やヒトDBGとの関わりを情報学的に解析する。さらに、(4)「DBGネットワーク仮説」を検証する実験、(5)分裂酵母のDBGの同定にも着手する。 〈本年度の研究実績〉本年度は上記計画に基づき、わずかなコピー数変動に伴い細胞機能に悪影響をおよぼす遺伝子の絞り込みを行なった。その結果、限界コピー数が10倍以下の遺伝子115個を取得した。これらの遺伝子は細胞骨格や細胞内の輸送に関わる遺伝子が多く含まれていた。また、これらの遺伝子のパートナーとなっている遺伝子の組み合わせを探索し、13ペアについて量的な均衡関係あるすなわちDBGであることが確かめられた。現在パートナーが同定されていない遺伝子についてもパートナー遺伝子の探索を続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究費に採択されてからいち早く研究体制を構築することができた。特に予想外の事態も発生せず研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ研究は順調に進展していることから、特に特別な推進方策をとる予定はない。
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Research Products
(7 results)